オンナノコがダイスキだ。
何故と言われたら的確にこうだとは答えられない。
柔らかくていい匂いがして、受け容れてくれるから。ただそれだけかと言われたら否定をしきれるかと言われたらそうとも言えない。
結局不純だと指摘されれば、まぁ、そうである。
その日は部活に出る気分じゃなかった。三年生が好き勝手、強くもないのに監督が優しいからといってろくな練習メニューを組まずにダラダラダラダラ。ゲームの話をする部活じゃないって。最初はその話に楽しく混ざっていた俺が言っても説得力はないが。
ひ、ま、だ、なー
口をぱくぱく。声には出さず、つぶやいてみる。
そのまま携帯を開いて、あ、ここは先生には見つからないなっと、確認もしてから。連絡先の上から順に辿ってゆく。
・・・アイコちゃん、アオイちゃん、亜久津、、いや亜久津はいらないいらない。ああ見えて堅物というか、尾崎節が未だに抜けない昭和な平成男児だから。また、烟草をもくもくさせながら呆れた顔で僕を見るのだろう。僕は、そのみるみるうちに減る烟草に、呆れ顔をするのだけど。そのまま女の子ばかりのアドレス帳をカチカチカチ、スクロール、スクロ
「千石くん、部活はサボり?」
落ち着きすぎた声に一瞬先生かと思った。携帯を自分の体でかばいながらごく自然に振り向くと、そこには自分よりいくらか小柄な女の子。学生らしい清潔感のある香りがした。シャンプーの匂いだろうか、艶のある黒髪をするりと胸下まで垂らし、短いスカートから伸びる白くて細いなまっちょろい足がその髪と対比のようになっていて、まあまあの芸術だった。
「なまえちゃん。ラッキーだなぁ、ちょうど会いたかったところだよ」
「相変わらずお口は調子がよさそうだね」
穏やかな口調の皮肉にお陰様でなんて暢気に返して、携帯を閉じる。もうアドレス帳には用がなくなった。
近づける距離に彼女はうろたえたりはしないが、たしかな警戒心というか、これ以上は近づくなといったような威嚇のような雰囲気を感じる。
「そんな顔をするくらいなら話しかけたりしなければイイのに、バカだなぁ」
「どんな顔してるの、わたし」
じっと臆することなく僕の目を見据えるなまえちゃんの、瞳のその奥、本当の意思、なんてそんなもんはもちろん僕なんかにわかるはずがない。
「寂しくってたまらない、抱いて、ってカオしてるカナ」
それって千石くんでしょって言いたそうなカオは見ないふりで、唇を掠め取るみたいに肩を掴んだ。
どうやら僕は寂しい
title ルドルフ
自覚のある空っぽなイケメン千石きよすみくんちゅうがくいちねんせいくらい
こんな13さい最高にいややな