「今日の夜ボクとデートしてくれませんか!?」
「あぁ、いいぞ」
アフロディが一生分の勇気を使ってのデートのお誘いはあっさりと綱海に受け入れられた。アフロディは約束だよ、と小指を絡めるとぶんぶんと振った。
「じゃあ、6時に雷門中の正門前に集合ね!」
アフロディは軽い足取りでその場を去っていった。そして6時前。二人は私服で正門前に立っていた(実のところアフロディは2時間前に着ていたのだけど)。
ファッションに無頓着な綱海がそれなりに着飾ってきたということは、綱海もまたその気があるのかもしれないと思いアフロディは嬉しかった。
「それじゃあ行こうか」
さりげなく綱海の手を取って二人は歩き始めた。
アフロディがデートを夜に誘ったのは理由があった。昼間は立向居や吹雪が終始綱海にくっついていてなかなか二人きりになれなかったのだ。
「二人きりになりたかったんだ」
と呟くように言えば綱海も頬を赤らめながら「オレも」と返した。普段なら言えないことも夜の雰囲気が後押ししてくれているようで、今ならずっと言えなかったことが言える気がした。
「ちょっと、海の方へ言ってみない?」
綱海は断らなかった。
「わぁー……暗いねー」
「でも街の灯りがぼんやり見えるからそんなに怖くないな」
よっ、と砂浜に降りたった綱海はどんどん先へ走って行ってしまった。アフロディが慌てて追いかけていくと綱海は海を眺めていた。その姿がとても綺麗でただ眺めていた……つもりだった。
「好きだよ、綱海くん」
「ふぇ?」
「……え?」
しばらくしてアフロディは理解した。自分は今ずっとできなかった告白をポロッと口から出てしまったのだ。これにはアフロディも慌てた。
「あっ、いや、これは違……」
「アフロディっ!」
いきなり綱海が抱きついてきたかと思うとその勢いのまま唇にキスされた。あまりの勢いに歯がガチガチぶつかってちょっと痛い。
「つ、綱海くん……?」
「遅いぞ、ずっと待ってたんだからなっ!」
口を離すと綱海は顔を赤らめながらアフロディを見つめた。アフロディはその言葉の意味を理解して顔を赤くした。
それは、つまり。
「大好きってこと、だ!」
二人はまたキスをした。
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うはぁぁキュンキュンするぅぅ
照綱で甘甘とお願いしたら、こんなにときめく小説をいただけました…!
綱海の 遅いぞ! が可愛い^p^
キス大好きな私には嬉しすぎる…
神有月神無さま、相互ありがとうございました!