ぼちぼち



趣味は昼寝で、基本しっかりしとるけど妙な所でズボラなんは知っとった。自分も大概めんどくさがりで大ざっぱやから、まぁ似た様なモンやと思う。こういうトコは地味に影響されて似たんやろか、とも。

せやけど。


「コレは無いでしかし…」


普段あんま来ーへん奴からメール来た思たら、掃除手伝えっつー内容で。まぁ、一応兄貴みたいなモンやし、何だかんだ用事片して来てみれば。
当の本人は散らかった部屋で爆睡中。
しかもその部屋は恐ろしくグチャグチャ。ゴミの類は流石に無いようやけど、それ以外は嵐に遭ったみたいに散らかっとる。
…ようこんな所で寝れたもんやな。

「起きぃや奈良ぁ。客そっちのけは無いやろー」
「…んー…?」
洗濯もんにくるまるみたいにして寝とる体をわさわさ揺さぶると、もぞ、と動いた。元々トロンとしとる目が、ますます眠そうにオレを見る。
「…おおさか、か…?」
「それ以外に見えるか?」
目をこすりながら起き上がる奈良は、いいや、と首を振る。こっちがイラチなん知っとるクセに、嫌がらせか思うくらいのゆるゆるした動きで。
あんま遅いから思わず抱え起こした。


「…うれしなぁ…来てくれたんけ」
「ちょ、オイコラ抱きつくな」
起きた思たら甘えたのチビみたいに体重をかけてくる奈良を、何とかして座らせようと悪戦苦闘。何でオレがチビあやしとるみたいなカッコになっとん。

オレは掃除しに来たんであって、子守りしに来たワケやないで!
「なーらー! 自分オレより年上やろが。シュッとせぇ」
「んー」
まだ眠いんか、いつもより割増しでトロい。
「掃除するんやろ」
「あー、せやったなぁ…」
床に転がってたホウキを押し付けても、のたのた動くだけ。ホンマ動くだけ。
…絡繰り人形のがよう動くでコレ。



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