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この恋、きみ色


アイツは俺を好きだという。
男同士だけど、それでも好きなんだ、と。
あれだけ沢山の女子に囲まれて、どうして興味の方向が俺に向くのか分からない。
そもそも、恋というものはよく分からない。
何がどうなれば恋なんだろうか。
「朱鳥」
「ん? 何?」
俺にもたれかかる様に座っている朱鳥は、何だか嬉しそうな顔で俺を見る。

いつもそうだ。
名前を呼ぶと、嬉しそうにこっちを向く。
それこそ犬みたいに。
「初恋の時、どうやって恋だと認識したんだ?」
経験者に聞くのが一番だと思った。
けれど、返ってきたのは答えではなく困惑した顔。どうやったんだろう…なんて真剣に考え始めたのを見て、これはダメだと直感する。

どうやって。どうすれば。


この恋、きみ色

(どんな方法なら、このモヤモヤは晴れるんだろうか)




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