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残念ながらべた惚れ


隣に居させて、と俺は言った。
揺れ始めてた蒼海の心に、アイツが好きで堪らない俺はちゃっかり割り込んで。
それでも俺を受け入れてくれた。
隣にいても構わない、と言ってくれた。
それだけで十分だった………はずなのに。

「蒼海…」
「ん? 何だ?」

ジッと見つめてみる。
もしかしたら、イイ雰囲気になったりしないかな〜って。
でも蒼海は、キョトンと俺を見るだけで。
どうした?なんて言葉が飛んできそうだ。


「…大好きだ」
ぎゅうっと抱きついた。
邪な考えは捨てよう…男同士で、無理矢理キスまでして、拒絶されて。なのに隣に居られる。
蒼海の性格上、それだけで奇跡に近いんだ。
これ以上は求められない。
なのに。


残念ながらべた惚れ

(どうしよう…お前に触りたくて仕方ないんだ)




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