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終わらない恋になれ


「蒼海…」
ぎゅう、と抱きついた。
特に何でもない、いつも通りに蒼海の家に上がり込んで過ごしてた時間。
テレビを見てて、それが悲しい物語で。
何だか堪らなくなって。
思わず…隣で見てた蒼海に抱き付いた。
「朱鳥?」
テレビの物語が俺たちとダブる訳でも、嫌な事があった訳でもない。

ただ。

悲しい気持ちに浸っていると、隣に居るはずの蒼海との距離が妙に遠い気がして。
それが堪らなくて。
抱き寄せた体温にホッとしながら、目を閉じた。
「理、人…」


漠然と、モヤモヤと。

不意に心へ落ちた何気ない色は、時々シミみたいに広がってく。


「…どうした、翔悟」
不意に降りかかった言葉にバッと顔を向ける。その先にはほんのり赤い頬をした仏頂面。
その顔がゆっくりと近づいてきて。
そっと、唇が触れた。
「〜〜〜ッ!?」
「どうした?」
照れた顔で囁かれた声音は、これ以上無いってくらいに優しくて。
ゆっくりゆっくり、グズグズしたものを溶かしていく。
ああもう。ホント…
「大好きだ…っ」


終わらない恋になれ

(頼むから、ずっと隣に居させて下さい)




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