「好きだ、祐樹」

優しい笑顔に甘い声。
そんな仁から夢にまで見た言葉を囁かれて、俺の心臓は全力疾走耐久レースに突入した。
心臓がばっくばっくいってる。
つか心臓痛い。メチャクチャ痛い!

「…祐樹は?」
「…す、き…すきだ…仁…」
不安げな顔に真正面から見つめられて、頭とは反対に上手く回らない舌を必死に動かす。
やっと出た声は頼りなくて、何となく舌ったらずで。
ひいいぃぃぃ別の意味でキツい!
情けねーよ俺! ハズ過ぎる!


「祐樹…祐樹…!」
熱っぽい視線と熱烈なキスを受けて、恥ずかしさとか嬉しさとかがグチャグチャに混ざる。
何か日曜の昼間にあるまじき雰囲気になってるけど、もうそんな事どうでもよくなってた。
仁に受け入れられた…そう思うだけで、心臓のバクバクも最高潮だ。

…でも…でもな!

俺もオトコなんです。
下心から女装なんかしてたけど、戸籍上も生物学的にも男なんです。
だから……っ!
上と下は大事だと思うんだ! ナチュラルに組み敷かれてるけど、そういう所は話し合うべきだと思うんだ!



俺だってヤるなら突っ込む方がいいんですけど―――ッ!!



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