極端にポジティブらしい幼馴染みは、暴言も多少の荒技も快感に変えてしまう。本人は俺に対してだけだと言っているが、そんな都合よく切り替わるもんか。
「…ったく…昔のお前はどこに行ったんだ…」
「ん…?」
だから、ウットリした目でこっち見るな!

「昔は逞しかったのに…まさかアホの子な変態に育つとは」
昔はイジメられっ子だった俺を助けてくれていたのは他でもない、目の前のコイツ。若気の至りでその後ろ姿に憧れていたりしたものだ。
なのに――詐欺だろコレは。
「アホの子言うな!」
…変態は否定しないのか。
「お前だって昔はか弱くて可愛かったのに…まさか夜の女王になるとは思わなかったぞ」
いや、今も可愛いけど。そう言って抱き枕に頬ずりするアキラ。うん、キモい。


「つか抱き枕にシャツ着せんな。何考えてんだよ」
「だってお前に会えないから…こうしてると抱き合ってるみたいなんだ」
ナオの匂いがする気もするし、と今度はシャツの匂いを嗅ぎ始めた。枕に埋めた顔とか、撫でる手つきがホントにキモい。

なのに。

「…じゃあ、もう要らないな」
「え」
いちいちムラっとくる俺は随分洗脳されてる気がする。
ワケも分からず見つめてくるアキラをベッドに突き倒して、その手から抱き枕を剥ぎ取った。
「俺が居るのに抱き枕は要らないだろ」
綺麗に放物線を描いて床に落ちた枕を横目に、シャツのボタンを寛げながら微笑んでやった。


「ほら、さっさと脱げよ変態」


愛する幼馴染みの好きな声と言葉を共に。



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