「あ、あの…」
「入れ」
戸惑った顔をする川嶋を教室に放り込む。戸を閉めながら適当に座るよう言うと、川嶋はおずおずと近くの椅子に座った。
前の椅子を引いて座ると、すくめられてた細い肩がピクッと震えた。

「生徒手帳、どこで拾った?」
「えと…秋葉原、です」
「………マジか」
コイツが手帳を持ってきた時点で、何となくそんな予想はしてた。
外れてるようにと願ってはいたけど、そうもいかないらしい。やっぱり信号頭とやり合った時か…そういやリュックから、いくつか中身ぶちまけた気がする…

………。

アイツら…今度会ったら病院送りにしてやる…!



「…言うなよ」
「え?」
「昨日聖…いや、秋葉原で見た事。絶対に言うな」
思いっ切り眉間に力を入れて睨む。
昇竜を知ってるヤツだ。ちょっと睨めばビビる……ん?


あれ、コイツ笑顔なんですけど。

全っ然ビビってないんですけど――ッ!


「僕、誰にも言いません。だから…」
「…だから?」
お、俺様を脅そうってのか!?
良い子ちゃんな面してメチャクチャ生意気じゃねーか!
やっぱ一回ボコるべきか…
なんて色々考えてると、川嶋はガタッと椅子から勢い良く立つ。思わず身構える俺様の手をギュウッと握って。


「僕を奴隷にして下さい!」


キラキラした目でそう言った―――

………。

ナニコレ。

…やっぱついてねぇよ、俺様…



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