「バカ沢の説教食らったのか! うっはダッセー!」
「つか何で川嶋が深山の手帳持ってんだ? お前ら知り合い?」
両側から覗き込まれた川嶋とかいう奴はビクリ肩を震わせた。
そりゃそうだ。普通の良い子ちゃんからすりゃ、俺様たちみたいなガラ悪いのは関わりたくないだろうし。

「いえ…あの…落ちてて」
「落ちてたぁ〜? どこに?」
お前間抜けだなぁ、とコッチを見るダチ。
でも正直それどころじゃない。
「えっと、あき…」
「川嶋! ちょっと来い!」
ヤバい、このまま放置してたらコイツ口滑らせちまう!
何としても黙らせる。
俺様の意地にかけて黙らせる。
多少脅せば、いくら気弱なコイツも口にチャックするはずだ。


「あ、あの、授業が…!」
「いいから来い!」
腕を引っ張って教室を出る。
先に口止めしねぇと…どこにするか。屋上、は他のヤツ居そうだし…
よし、外れの空き教室にするか。
校舎の最上階には使われてない教室があって。最上階は和室とか多目的室とか、あんま使わない教室ばっかで元々人の気配は殆どない。
その階の外れとくれば、中には教室の存在すら知らないヤツも居る。だからセンコーの注意は専ら屋上。
ワイワイ言いながらサボる時は屋上によく行くけど、一人でボンヤリしたい時は大概その教室だ。



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