「…お?」


ガサガサ鞄を漁っても、いつも放り込んでるはずの生徒手帳が無い。この時しか使わないから、外に出すワケねーんだけど…
ガサガサ

無い。

ガサガサガサ

マジで無い。

ガサガサガサガサ

っうぇえぇえぇ!?

無い! マジで無い!
どのポケットにも鞄の底にも無い!
嘘だろ出さねーって生徒手帳なんてよ!
落とした!? 何か出した時に落としたのかッ!?
「不携帯か…よっぽど逃げる自信があったんだなぁ。それとも俺の説教が聞きたかったか、深山クン」
ポン、とバカ沢の手が肩に置かれた。
…マジで今日はついてねぇ…


「うーッス! うは、まだらプリンが居る」
「ホントだ。深山、朝礼前に来たのか?」
結局開始ギリギリに説教から解放されて受けた一限目。やっと終わってダラダラしてると、案の定遅れて登校してきたヤツらが珍しそうな顔をした。

「今日がチェックなの忘れてたんだってよ」
「で、朝霧ちゃんに釣られて登校したらホイホイ取っ捕まったと」
朝霧ちゃんっつーのは英語担当のセンコー。見た目もそこそこだけど、何より声がマリィたんに似てる。
今日の一限は朝霧ちゃん担当の英語で、朝からマリィたん似ボイスを聞けるとあっちゃ遅れるワケにもいかないワケだ。



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