「あ、あのっ…」
かけられた声にそっちを振り返る。
するとさっき絡まれてたヤツが、鞄を抱き抱えながら立ってた。

………ん?

あれ、この制服…
「深山さん…ですか?」
「え゛」
知らないヤツから名前を呼ばれてギクリとする。
やつぱりそうだ。
コイツが着てるのって…

「神楽高校の深山 晃太さんですよね!?」

神楽高校。
グレーのブレザーにズボンないしスカートの、何ともダサい制服で有名な高校だ。
俺様のズボンも実は制服のズボンだったり。直帰で聖地に来たからな。


…って、やっぱ俺様の学校のヤツじゃねーかッ!


ってか何でコイツ俺様を知ってんだよ気味悪ぃ!
俺様はコイツなんか…
「入学直後に先輩を病院送りにした、元・昇竜の深山さん!」
…あー、そか、俺様有名人なんだっけ?
熱狂的にセンコー(特に生指)に追っかけられてて、周りの注目度(警戒的な意味で)バリ高な有名人。
何せ昇竜つったら中学不良グループで札付きの荒くれ集団だしな。
抜けたとはいえ、有名になっちまうのは無理ないか。


…じゃねぇよ。


マズいじゃねーかこの状況! 今の俺様はオタクモードだっつーの!
バレたりしたら、いい笑い者だぞ!?
とにかくボロ出す前に逃げねーと…
俺様がこの場に居たなんて証拠は一つもねーんだ。シラを切り通せば何とかなる。
…よし!



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