バーカ。


さっきフィギュアで全部使ったっつーの。
この俺様が汗水垂らしてバイトで稼いでたのは、マリィたんのためなんだからな。
「財布よか…このフィギュア、ネットに流したら売れんじゃね?」
「!?」
黄信号のセリフにギョッとした。
何でただの不良がそんな事知ってんだよ!
つかマリィたんを売るだと!?
ふざけんな俺様の嫁をどこぞのキモオタにやれるかっつーの!!
「ちょっ…それはダメです!」
「おっ、焦ったな? 売れんだろ、コレ」
「おー、頭いいなお前」
あっつー間にフィギュアの袋を奪われた。黄信号と青信号が高く上げた手から、赤信号が袋をかっさらう。箱を出して、フィギュアをまじまじと見始めた。
こっ…こんにゃろう! 俺様の嫁をイヤラシい目で見るんじゃねぇぇぇぇ!
「…キモ。こんなん売れんのかよ」

「き…っ、キモイ、だと…!?」

赤信号のセリフに、何かが完全にブチ切れた。



「テメェの目は節穴だ赤信号がぁぁァァァ!!!」



「…っはぁ、はぁ、思い知ったかクソ野郎」
コンクリに転がる赤信号の腹に一発加えて、ジャマな前髪を掻き上げる。
一応聖地に来てっからオタクモード入れてっけど、これでもシマじゃ不良やってんだ。ケンカなら負けねぇ。
「…チッ、切れたか」
口にチリッと痛みが走る。
赤信号の奴、地味に強かったな…一発顔面に食らっちまった。
だがマリィたんがかかりゃ負けらんねぇぜ!
俺様の嫁を馬鹿にするヤツは緩さねぇ!



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