「オラ、早く出せって」
「い、嫌ですっ」
ジリジリ迫る信号頭。
こりゃフルボッコにする気か?
「んだと? 身ぐるみ引っ剥がすぞガキが」
ガッと青信号が学生のネクタイを掴む。抱えてた鞄を握る手がピクリと震えるのが分かった。
………はぁ、しゃーねえなぁ。目、合っちまったし。


「さ、3対1なんて卑怯ですよ…!」
一応オタクモードだからキョドった声で止めに入る。
情けないチンピラなんか、たまに気持ち悪がって逃げるんだよな。
つっても、今回は違ったっぽい。

「あぁ!? 何だテメェ」
赤信号は由緒正しき不良っぽくガンを飛ばしてくるし。
「俺らに絡むたぁ、いい度胸じゃん」
黄信号はニヤニヤしながら挑発してくる。
「オタクはお部屋でフィギュア握ってハァハァしてろ」
青信号は馬鹿にしくさった顔で鼻先笑い。
ふん、肝は多少あるっぽいな。

何も言わずに居ると、信号頭はギャハハハと笑い声を上げる。
「そうだ、オタクは金持ってんだっけ?」
黄信号はそう言うと、ちらりと仲間を見てニヤリと笑った。
「お、お財布ならあげますから…コレで勘弁して下さい…」
「分かってんじゃねーか」
とか言ってチャチい革の財布を渡す。
それを引ったくって、赤信号は中身も確かめずにニヤリと笑った。



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