矛盾した恋 俺の彼氏は変態だ。 「けええぇぇ〜んやぁ〜!!」 まぁ、“恋”という字も一歩間違えたら“変”という字になってしまうのだからしょうがない事なのか……?それとも残念な事にこれは運命なのか……? 「おっはよ謙也、ところで今日のパンツは何色?」 …しょうがない? ……運命?いいやこれは…… お か し い や ろ 。 もうアレやん。彼氏とか言う前にただのおっさんやん。いかにも電車とかで女子高生(こいつの場合は男子高校生か?)にチカンしそうな………――― 「なーなーけんやーこれ着てー」 そう言いながら、白石が手にしていたのは“びらっ”と今にも効果音が聞こえてきそうな程にレースで飾られた………………………………………………………―――――――――メイド服。 え、ドコで入手したん?つかコレ不要物やんな? しかも、『消しゴム貸してー』ぐらいの軽いノリでこんな事を言ってくるのもどうかと思う。 流石白石…と言ったところか。 「え、アホやん?バカやん?何考えとるん!?」 「アホ?バカ?それ、俺にとっては褒め言葉やで?けーんーやっ!……何考えとるん?……って、俺は謙也の事しか考えられへんの知っとるクセにっ!!」 「………」 駄目やこいつ………末期や。 「いや、メイド服とかおかしいやろ?文化祭まだまだやで?てか文化祭でも着る気あらへんけど」 すると白石はいきなり目に涙を溜め、俺の両肩をがっしりと掴んできた。どうしよ、めっちゃキモい……!!! 「け、けんや文化祭でもメイド服着てくれんの……!?」 「あったり前やろ!?俺は女子のメイド姿が見たいっちゅー話や」 こんなん男の願望だろう。 細すぎず太すぎず、少しむっちりとした太ももに、スカートの合間から覗くぱ、ぱぱぱぱぱぱ!!! 「ブフッ!!!」 あっれぇぇぇ? 目の前が真っ暗ならぬ、真っ赤なんですけど……? こんなんじゃあ白石と変わらんやんか……俺。 やっぱりあれや、中学生男子やからしゃーな……い……わ………………、 ** 「はっっっ!!?え?」 目を覚ますと目の前に白石。あぁ、最悪や……なんて思ったけど白石はいつものふざけた様子とは違い、本気で心配してくれているようだった。 「あ、謙也……!?気がついたん!?よかったああ!!」 ぎゅう、と抱きしめる白石からは薬品の匂いがした。……という事は、ここは保健室? 俺、倒れたんか……興奮して鼻血出して倒れたんか……!!! うん、凄く…、恥ずかしい…… 「白石……おれ、」 「大丈夫、今は何も考えんくてえぇよ。もう少し横になっとき?」 「……うん。」 こういう時、狡いって思う。 俺が興奮して鼻血出して倒れた事知ってるくせに。いつもみたいに変な解釈していじればいいのに。 こんな心配して、こんな優しい態度とって……ずるいずるいずるい……。 白石のやつ、カッコよすぎやろ…… いっそのこと、ほんまは今までムラムラしてました〜、ぐらい言ってほしいものだ。 俺が一人で馬鹿みたいじゃないか。一人で白石に惚れてる…… さっきの女子のメイド姿想像するよりもドキドキしてる……!! 俺は気付いたら白石に抱きついていた。 そして更には抱きしめる力を強めて、全身の体重を白石に預けるように抱きついた。 今日の俺はおかしいのだ。そんなの自分自身が一番よくわかる。 今日は倒れたから、そういう事にしておこう。 「ぅ、え?謙也っ……!?」 「……白石、」 「な、に?」 「もう少し……こうしててえぇかな?」 「………えぇよ」 白石は俺の行動に戸惑い、焦っていた。 当然やろうな、俺がこないな事するなんて天と地がひっくり返ってもあり得ん事やし。 でも腕の中ではそんな事、関係なかった。 気持ちよくて、心地よくて、なおかつ、安心できた。 ** ………………と、俺の肩にとても違和感のある感触……?というか液体?のようなモノが……? 「白石……なんか……っ、え!?」 俺の肩は赤く染まっていました。 白石君の血によって。 (あ、血って言うても鼻血やで!!) 「ち、ちょお!!白石?白石ーーーッ!!?」 勢いよく白石の肩を揺さぶるが、反応はナシ。 「け、謙也……の」 気を失っていたのかと思うと、ゆっくりと口を開く白石。 「な、なん!?大丈夫か白石ッ!!」 「謙也のにお、い………gj!!」 そう言い、左手でグッと親指を立てながら、ベッドへドサリと倒れていった。 こんなヤツを一瞬でもかっこいいと思った自分、グッバイ。 end. ‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐ はい!という事で変態白石×謙也……もっと白石は変態に出来たかな?と今更後悔です…(´・ω・`)シュン←← いやあ、何だか逆に謙也が変態みたいになっちゃってすみません……思春期男子中学生感((どんな。を出したかったんです!! 二万ヒットリクエストありがとうございました!! , |