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「はい、新しい作業着とシップ。やから昨日の事は忘れて……っちゅーか忘れろや絶対!!」


出た。白石さんの頼み方はなんちゅうか脅しに近いんよなぁ……

仕事が始まって直ぐに白石さんにいきなり呼ばれた。何かと思えば昨日の暴走の件。どうやら白石さんは覚えていたようだ。


「あ、りがとうございます……昨日の事、てやっぱり…?」


「そのやっぱり、や。……はぁ、お前に説明すんの忘れとったな」


「説明……?」


すると白石さんは意を決したように口を開いた。


「実はアレ、化狐の特色……いわばヒトの特長なんや………!!」


え………
特色?特長?ヒトの皆さんはこないにドSな方が沢山居るんですか………?


「でも皆が皆、俺みたいにドSやないから。
性格っちゅーヤツがアバウトに決まっとってな、俺の場合はドS。ユウジの場合は……せやな、ドMぐらいやな」


「はぁ!?あれでドM!!?っちゅーかユウジさん化け狐やったんか!!」


衝撃の事実や……!!てか俺の事結構殴っとるであん人!!!……ドM?……あ、自分が攻撃する事によってもしもコレを自分がやられたらどうなるんやろ〜えへへ!!みたいな事考えとるんやろ!絶対そうや!!


「あれや、ドSに見せかけてホンマはドM……みたいな。」


「どんなマニアック設定!?っちゅーか何でドのつくアブノーマルな性格のやつしか居らんねん!!!」


「何言うとるん人聞きの悪い。俺の知り合いには過保護なやつも居るで」


「暴走したらめちゃくちゃありがた迷惑!!!」


まぁ白石さんの説明でわかった事は化け狐やらのヒトは性格が極端に割れてると。
そういえば光は極端にクールやったなぁ…というよりは毒舌言うんかな?やけどなんや嬉しそうにしとったし……?
あ、アレや!!クーデレクーデレ!!!


「もうえぇやろ?わかったらさっさと作業着着て仕事に戻ってや。
それと―――……」


白石さんは何かを思い出したように言った。


「俺の犬になってくれるんやろ?ケ・ン・ヤ」


「あぁああ!!!!」


しまったァァァ!!忘れていた自爆発言!!え、犬?犬?……白石さん、奴隷言うとったよな?
という事は改名?
忍足犬也!?


「ハハ、冗談やて!ホンマは犬になんなくてもえぇ、て言おうと思っとったから安心せぇや」


「は、あはは……」


すみません。あなたが言うと冗談に聞こえないんですよ、えぇ。