07

 


やっぱり俺には理解できひんかった。ヒト………………だなんて。
やからとりあえず先程許可をいただいたので、耳と尻尾を触ることにした。
あれ?やっぱり俺、人と考え方ズレとるかな?


「え、お前何しよるん?」


「え、尻尾触ってます〜……えへへ」


きゃーー!!めっちゃくちゃ気持ちえぇ!!!ここで眠りたいわぁ!


「えへへ、とか何?馬鹿にしとんのか!?つか何でもっと驚かへんのお前?」


うあ、馬鹿にしてへんのになぁ……尻尾の中で眠るんは夢のまた夢、やな……
てか俺、内心ではめちゃくちゃ驚いてるんやけどなぁ……


「んー、白石さんが化狐だとしても、ヒト……見た目人間やないですか…言わな化狐てわからんし……やから全然違和感あらへん……です」


「違和感、なぁ……」


うわぁあああ俺何言っとんのん!!違和感大アリやっちゅー話や!!!
……いや、でも本当に単純に考えると人間に耳と尻尾ついただけやし、、うん、何もおかしないわ。うん、そうや。


「とりあえず俺は大丈夫、です。
あ!えと、取り敢えず何で白石さんみたいな人がこないな神社に?やっぱ祀られてるとかなんやらで親交があるからですか?」


「こんな、て失礼やな……まぁ、バレてもうたし隠す必要もあらへんし………えぇか。」


そう言い白石さんは左腕に巻いてある包帯に手をあてがう。

そう、白石さんの左腕には真っ白な包帯が巻いてある。

最初からちょくちょく気になってはいたが、結局白石さんに何も聞けなくて俺の中ではお蔵入りになっとった疑問や。
でもその時聞かなくてよかったと思う。やって化け狐となんや関係ありそうやし……

そして白石さんは包帯をシュルシュルと解きはじめた。


「ほら、これ見て」


「え?………………………………ッッ!!!」


その腕にはいかにも呪いのような……模様?が沢山刻まれていた。


「な、んやコレ……?」


何やめっちゃ黒いオーラ出とるし……
うわ、気持ち悪なってきた………………っ、


「ぅお、大丈夫かいな!……ちょお刺激強すぎやったかな?」


倒れそうになった俺を右手で支えてくれた白石さん。もしも左手だったら更に調子悪なってた様な気ぃする……


「スマンな、人間に見せた事なくて……こないに強力やと思わんかった」


そう言いながら、包帯を巻直す白石さん。


「あ、大丈夫です。ありがとうございます」


「んで、この腕の話なんやけど………………」


「っ、……はい」


ごくん、と生唾を飲み込む。
さっきの腕を見た後やから、妙に緊張してしまう。


「これはな……黒狼にやられたんや」


「黒…………狼……?」


「おん、俺ら化狐と対立しとる奴等や」





そう言う白石さんの表情はとても険しかった。
その事もあり、なんだか複雑な問題なんやろうな、てアホな俺でもわかった。