06

 


「………………」

「………………」


え?何この沈黙……?上手くいったんかな?
うそーー!!やったあ!!俺、死なんで済むんやーー!!!


「ふっ、ふざけんなやお前っ!!やっぱし殺す………!!」


「う゛きゃあああ!!嘘です嘘です!!ごめんなさいぃぃぃいいい!!」


ですよねーーー!!!
てか殺意抑えるどころか殺意芽生えさせてもうたああぁぁぁ!!


俺は咄嗟に持っていたお札で顔を隠した。


「お前、ソレ何や?」


「へ?」


ぴた、と白石さんの動きが止まった。


「もし、かして……?」


「お札、ですけど?」


ずざざざざっ!!………そんな効果音が出そうな勢いで白石さんは倉庫の端っこへ後退りした。


「大丈夫ですk「やだああぁぁぁあぁぁ!!!ちょ、こっち来んな!!そこで止まれ!一時停止ッ!!お札しまえ!!しまってえぇぇぇええぇぇ!!!!」………へ?」


俺は状況があまり理解出来なかった。だけどひとつだけ確かな事、それは白石さんはお札が苦手だという事。


「耳でも尻尾でも何でも触ってえぇから!!お札しまえや!ごるぁぁ!!!」


「………………」


怒ってんだか怯えてんだか……とりあえず白石さんが可哀想なのでお札をしまう事にした。


「ふぅ………、最初からお札なんてしまっとけ!!………てか、こないなったら全部話さなアカンやん……!!うーわーめんどくさ。」


「え?」


冷静を取り戻した白石さんの第一声が俺への悪口?ってどういう事やねん!!お礼のひとつもあらへん………………!!
こん人ホンマに白石さんなん?何かに取り憑かれとるんとちゃうん!!? てか、話さなアカン事、て………………?やっぱその耳とか耳とか尻尾とか尻尾とかの事やろか?


白石さんは静かに口を開いた。


「見てわかると思うけど、俺は化け狐や。人やあらへん。強いて言うなら………ヒト、や」


白石さんの衝撃の一言に俺は言葉が出なかった。出なかった、言うよりは出せなかったんや。
やって………………、


人やない、ヒト……なんてあるん?