03

 


「すみませーん」


学校も終わり、アルバイトの為に神社へ向かう。今日の分の学校が終わった事もあるせいか、人が集まっている。
そないに人気なんか?この神社は。


「一氏さー…っだぁ!?」


俺が名前を読んだ瞬間、“すぱん!”と乾いた音が鳴った。


「遅い。」

「な、なんですか?ソレ……?」

「ん、ハリセンに決まっとるがな」


そう、俺はソレ“ハリセン”で叩かれた……というよりは殴られた?この場合は突っ込まれたと言うのかは定かではないが、とりあえずしばかれた。
フツーに学校終わって何処も寄り道せんと神社に来たんに何でしばかれなアカンねん……!!

「あら、何やっとるの?ユウ君……ってその方どちらさん?」

……と、そこに現れたのは、巷で言うオネェ系…オカマ系?な坊主頭の眼鏡のおそらく男性(……であろう。)

すると、あろう事か一氏さんが真っ先にそのオカマに近づいて行った。しかも走って!

「なぁなぁどやった?小春〜今のツッコミ!!」

「!!??」


な、な、何や!?今の甘ったるい声!??こんなん一氏さんやないやろ!!


「はぁ?見てなかったわ〜……やーかーらっ、どちらさん?」

「え、俺!?俺は忍足謙也言います!今日からここで……って、ぐぇ!」

いきなり一氏さんが肩組んできた!?何!?この仲良くしてます〜的な雰囲気は!?


「えへへ〜こいつ今日からここで働くんやで!俺が採用したんや〜!!どや?小春!えぇやろ?」


うわぁぁぁぁ……うわぁぁぁぁ!!!
きっもち悪!!態度が違いすぎてもうかなわん……!


「忍足くん……蔵リンには劣るけど、えぇ男やないの!!…ロックオン!」

「うえぇぇ!?小春〜!!こいつのドコがえぇん!?なぁぁぁ!!!」

「もう!いちいちうっさい!!一氏はっ!!」

「こ〜は〜る〜!!」

「………………あ、ぁ………………」


一氏さん、って、もしかしなくても絶対………


「あ、アタシは金色小春って言うの。アタシも此所で働いている“巫女”だからよろしくね」

巫、女………さいですかー……。
あ、というかさっきの“蔵リン”、………て?


「じゃ、アタシは仕事があるから。じゃあね、ユウ君」

「うっ、うっ、頑張ってなぁー!!小春ー!!!」


うわぁ………一氏さんマジ泣きしとるし……聞きにくうぅぅぅ!!!


「あの、一氏さん?」

「何やオドレも俺と小春のラブラブタイム邪魔するんか」
「い、いや滅相も御座いません!!!少し質問を………えと、“蔵リン”て誰ですか?」

「ん、あぁ!まだ紹介してなかったなぁ…蔵はお前と同じ仕事場……やな。しかも同い年ぐらいのヤツやで……ちょお待っとって」

「はい!」



どうやら、同僚出来そうです。