02

 


……………割の良いバイト。
そんなんはやっぱし無い訳で。
現実は厳しかった訳で。
………………こうなったら………………、、


「はァ……しゃーない!最終手段は神頼みや!!」


俺のアパートの近くにはでっかい神社がある。
毎年、初詣とかには人がぎょーさん並んどって、かなり迷惑なんやけど……、行った事あらへんからわからんけど、それなりに願いが叶うらしい。


俺は今の全財産、36円(年頃なんにエロ本の1冊も買えんとか、最悪すぎるやろ?)を持って、神社へと向かった。


と、柱に貼り紙が。


“神社アルバイト募集!彼女にフラれて落胆しているそこのアナタ!!もう女子なんて忘れてみませんか?男子オンリーのアルバイト!かなり時給良いですよ!!お問い合わせは神社の誰かまで!!”






「うっ、わぁ……」

なに!?なんやコレ!! 俺に言っとんの!?
てか、神社の誰かまで、ってものっそいアバウトやな……


俺がうんうん唸っていると……


ドカッ、


「ぃい゛っ、たぁー!!!」


「お前、何そこで突っ立っとんのじゃボケ。邪魔や、邪魔。」


あ、頭蹴られたっ!!てか、誰やこいつ!!


「なんや、俺の事知らんのか?」


「えー……あ……すみません、ここ、初めて来るもんで……」


大抵の人は知っとんのか?こいつの事。


「俺は此処の神主の一氏ユウジや。」


「えぇ!?若い……ですね」


見るからに俺と同い年ぐらいの青年。しかも俺より背が低いせいか、少し幼く見える。


「そーゆーしきたりなんや!それと!言うとくけどな……俺はれっきとしたハタチや!は・た・ち!!…………てかお前、もしかしてバイト志望なんか?」


「え゛!?」


どないしよ!ここで断ったら俺KY!?ハタチの事つっこんでもめっちゃKYやんな!?でも時給えぇって書いてあったし……でも神社、て何やるかわからんし……
あぁ、やっぱハタチ気になる……!!!

って、うお!!ユウジさん恐!めちゃめちゃ目付き悪い!!なんで睨むん!?早よせんと殺すぞオーラ出とるって!!


「どっちなん?」


「あ、や、やりますやります!!」


「……わかった。お前男やんな?」


「え゛!?女に見えます?」


結構……、いや、かなり男男しとると思うんやけど……、、


「や、そういう訳やあらへん。まぁ、えぇわ、採用。」


「えええ!?あのっ面接とか要らんのですかッ!?」


やって神聖なる神社様さまやろ!?


「え?別に?とりあえず手伝ってくれる人が増えればえぇし……仕事言うても販売しとるお守りやらお札やらの整理やから大丈夫やで、多分。」


「あ、そうなんか………じゃ、よろしくお願いしまーす……」


「ん。自分、高校生やろ?とりあえず明日、学校が終わり次第、ここ集合で。」


「あ、はい」


「あんま遅くなりすぎんようにな」


なんやかんやで?アルバイト、決まりました。