01

 
「ごめん…好きな人出来たの」


ん、あれ?これ、は…


「いや、私も悪いねん!!すぐ心変わりしてしもうて…やけど全然付き合ってるカンジせぇへんかったし……デートも何もなくて…そんな不安な気持ちにさせた忍足君にも非はあると思うねん」


え、フら…れる?フラグ立ってるんやけど……?

「ごめんなさい!別れて!!」


あっちゃーーーーっ!!!
忍足謙也17歳。
彼女にフられました。
通算24人目……?ぐらいやったかな?もうえぇわ。とにかくぎょーさんやうん、めっちゃフられとる。
自分で言うのもなんやけど顔だけはえぇから彼女はつくろうとすれば、いくらでも出来る。


しかもフられる理由は皆大体同じ。
“デートとか…一緒に出掛けてもくれんやん!!”


うん、デート…デートね……。
いや、俺はデートが全てやないと思うねん!!フツーは傍に居られるだけで幸せ!って思うモンやないん!?










はい、謙也君の醜い言い訳タイム終了ーー!!
―――まぁ結論から言うと……金が無いんです、はい。



俺ん家は医者一家で、病院も経営しとる。やけど、どうしても医者になってオヤジん事継ぐんが嫌で、中学卒業と共に15の時に家を出た。そんでそのまま一人暮らししとる俺―――――………まったくアホな話やで、ホンマ。
何も考えんと飛び出したもんだから、一応アルバイトはしとるものの、このせっまいボロアパートの家賃と食っていくんで精一杯や。とは言うものの、学費は親が払ってくれとる。


俺の居所は知っとるらしいが、追求はしてこない。ホンマ、心配なんかどうでもえぇんか……わからんし。


とにかく!割のえぇバイト、あらへんかな?

俺はアルバイト雑誌をぱら、と開き捜索をはじめた。




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