「おーお早う財前」


「っす、、昨日はお世話様っした」


朝練で白石部長に話し掛けられたので、俺にしては珍しく、礼儀正しくお礼を言ってみたのに白石部長はそれをざっと聞き流す。
ちぇ。


「何言うとるん?本番はこれからやろ」


「っ、!!」


悔しいがごもっともな意見だ。肝心なのはこれからだ。




ちら、とユウジ先輩の方へ目を向ける。やはり小春先輩と話しているようだった。
……ユウジ先輩はホモでアホっぽいけど、白石部長まではいかなくもまぁカッコいい、と思う。モノマネだって上手だし。
見れば見るほど引き込まれる感じが―――――――――――――………、

「おい財前」


「っ、は……?」


話し掛けてきたのはユウジ先輩。


「何やお前。さっきから人の事ジロジロ見よって」


「う……、あ、えーと……」


え!?そんなに見てたのか?気づかれる程に!? ど、どうしよう…“見とれてました!かっこえぇですね!!てへ☆”……なんて言えへんわーーーーーー!!!!!


「ユウジ」


声の主は白石部長だった。


「部長!?」


「お、白石?」


「財前はな?今日ユウジと一緒に帰りたくて声かけようと思っとっただけやから悪く思わんでな…………な!財前」


「う゛ぇ!?」


思わず変な声が出てしまった。
え、白石部長セッティングしてくれるんじゃありませんでしたっけ?
まぁこの場合は、とりあえず助け船出してくれた部長に感謝や。うん。


「え?財前が?俺と?」

俺はこっくりと縦に首を動かした。


あ、でも小春先輩と帰るとか言われたらどないしよ……


「ん、今日は小春も委員会やし……えぇよ!一緒に帰ろうや!!」


「は、はいっ!!」


あぁ、もう…放課後が待ち遠しいよ。



わされた)



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