近づく
 



「大人ってどんだけ大人なんスか?」


「うーん、結構いい大人やなぁ……」


そんなに大人なのか……、というか何処で知り合ったのだろう?


「ふーん……」


「じゃあ、発表すんで!その大人はな………………………………………………うちのオカンが風邪ひいた時、看病するオトンやで〜!!」


こいつ………………!!遠山と同レベルやん!!何処で知り合ったも何も身内やし!!アホ!アホ!!ドアホ!!!

ギューーッ、

「痛っ!いだだだだだだだぁっ!!ちょっ、止めて光!ソコ俺のチャームポイント!ひよこの部分!引っ張ったら痛いから!!」


「謙也さんがアホだからいけないんスわ…自業自得っちゅー話ですわ」


「やってつまんない回答やったんやろ!?やからボケたろ思て……って、引っ張る力強めんで!!やめてぇぇぇぇぇぇぇ!!光…っ、光くん!!やめて下さい!お願いします!」


と、そこへ

「お、楽しそうな事やっとるやん」


現れたのは白石部長。


「あ、ぶちょー」


手を離し、部長の方を向く。


「っ、何が楽しそうな事やねん!!めっちゃ痛いねんぞ!!」
俺が痛め付けた?ソコを擦りながら部長に言う謙也さん。ざまぁっスわ。

「はは、スマンスマン謙也……で、何しとったん?財前」


「あ……ちょお人を探してて」


「ん、俺も協力すんで。誰?どないなヤツ?」


「ありがとうございます……人探し言うても決まった人やなくて、家庭的な男子を……料理とか、裁縫とかできるヤツ」


「家庭的……か…」


何やら考えたらしく、部長が自分で持っていたメモに何かを書き出し、それを俺に差し出した。

「え、これ……?」


「はい、これ俺のメアド…とケー番。心当たりあったら連絡したる。こう見えて結構友人関係幅広いねんで」

「あ、ホンマすみませんなんかでかい事にしてもうて……」


「いや、えぇって!後輩助けんのは当たり前やろ?」


「ありがとう……ございます」


白石部長は、頼れる人だ。謙也さんと違って。


「光、声に出てんで」


「マジっスか?あ、でもホンマの事なんで謝る気はさらさらありませんから。」


「うぇ!?ひかる!!?」




******************


その夜、さっそく部長からメールが来た。
そして俺は白石部長の言葉?に驚愕する。

(まさか、あのだなんて)



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