現実はそう、
甘くない
「………」
運命の人とやらはなかなか見つからないワケで。
クラスの男子は馬鹿ばかり。そんなん百億年前から知っている。皆、低能な奴らばかりだ。ましてや大人しめな男子も居やしない。ざっくり分けるのだったら、ガリ勉系とふざけたチャラチャラ系 だ。
ま、俺はどちらにも属してはいないけれど。
まぁ、そういう事で家庭的なヤツなんか居ないのだ。
俺の考えが浅かった。女子に家庭的が多いからって男子にも家庭的が多いわけ無い……。
俺の、アホ。
もうダメだ。
グッバイ俺の青春。
………俺の中での“家庭的”という条件を変えれば全然男子の候補はいくらでも出てくるとは思う。
やけど何だか“家庭的”は譲れなかった。
「ん、男子………?」
俺は思い出した。
同級生がダメでも、上にも下にも男子はいるという事を。
そうだ、付き合っていた女子の中にも先輩やら後輩やらもいたじゃないか!!
でもどうやって知り合うかが問題だ。
女子の場合は、あっちから寄ってきて告白されるケースがほとんど……というよりは全て告白での付き合いであったから、自然な出会い、というモノを俺は知らない。
だから男子とどうやってきっかけを作れば良いのかもわからない。
一年の場合は遠山くらいしか知り合いはいない。 しかし、遠山がきちんと紹介してくれるとは思えない。家庭的な“男子”なんて。
うーん、解らん。
俺はツイていないのだろうか?
(そんな苦い現実に、俺が
甘い恋愛を見せつけて仕返ししてやる)
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