「嘘つき。」
「へ……ぇ!?」
な?……っ、え゛ぇ!?
「センパイ、嘘つくんヘタですやろ?」
「………………っ!!」
ど、どうやら財前君は勘が超!鋭いらしい。
「スンマへんでした…」
「でも、えぇんやないですか?嘘つけないっちゅー事は性格が純粋な証拠やし?」
………………なんや、コイツ。
いきなり深い事言いよって。
「おお、きに?」
「別に、思った事言うただけですから。」
素直やないなぁ……
なんかちょっと…あ!ホンマに少しやで!?
コイツの事を、
可愛いと思った。あぁっ!!自己紹介忘れとった!!
「自己紹介まだしとらんかったやん!?しよーや!!」
「別にせんでもえぇですわ」
くっ!!!!!!!!!
「そんな事言うなやぁ!ほな俺から行くで?」
「………………」
(うっわ、ものごっつ睨んどる……でも俺は負けへんで!!)
「四天宝寺中2年、忍足謙也や!ダブルス専門で2年になって、一応、、レギュラー入りや!自慢は足や足。」
「あし?」
「ん!浪速のスピードスターて呼ばれてんねんで!!」
「自称やないんですか?」
「ばっ、バカ言えっ!!自称やないっ!!、…………………………………と、思う。」
「プッ、なんやソレッ」
「フッ、そやな!!何やろなっ!!」
(やっぱしコイツも笑うんや!)
笑った顔はやはり可愛くて。でも少し幼くて。
「っで!、ペットはイグアナで、好きなモンは、おでんの牛すじと青汁!!!」
「………………変人」
――――――前言撤回。
「ま、覚えといてあげますわ。あ、2年にならんとレギュラーに入れへんのですか?」
「っ!!……まぁ一応は、な。でも白石は……あ、部長な?は1年の最後の方でレギュラー入りしたで!!」
「フーン……」
(なんやコイツ……レギュラー狙っとるんか?
でもテニス未経験でレギュラーは難しいと思うんやけど……?しかも1年やし。)
「で?お前の名前は?」
「財z…「下や下!!もう体育着に書いてあるから苗字ぐらいわかるっちゅー話や!!しかもさっき財前て呼んだやろ!?」
「ぇ………………………………………………………………笑いません?」
「笑うワケないやろ?何で笑うん!?」
「名前と性格のギャップが大きすぎんのや……」
「そんなん気にせんから……言ってみ?」
「………………、かる」
「ん?」
「光。財前 光…っすわ」
「!!!!!!」
ヤバい。俺の頭ん中で1つの方程式が出来上がった。まだ入りたて…いや、入るかもわからない(ラケット持っとるから入るやろ)新入生にこんな事言うのもおかしいかもわからないけど。
「ざいぜっ、やない!ひっ、ひかる!!」
「……?」
「俺とダブルス組んでや!!」「いきなり何言っとるんすか?」
「え?ラケット持っとるし、何より…………」
「?」
「“光”っちゅー名前、俺の異名のスピードスターの“スター”の部分と被っとって相性良さそうやん!?」
「………………」
「あ!この話は光がレギュラーに上がってからの話やで?それまで、2人だけの秘密や!!」
光の手を取り、ほぼ強制的に指切りをする。
「…あり得ないっすわ」
「へ?」
「馬鹿にしとるんすか?」
そう言い残すと光は、顔を真っ赤にして走り去って行ってしまった。
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