さーて、今日はユウジの誕生日や。
ユウジにとっても俺にとっても大切な日や。
やから、いつもアタックしとる俺は身を引かな。
誕生日ぐらいユウジの好きにさせたらなアカンからな。
やけど皆考えとる事は同じみたいで、いっつもつきまとっとる光はおらんし、いっつも陰でユウジん事見とる(ストーカーか?)謙也もおらん。
ユウジを見れば隣におるんは小春だけ。ユウジも幸せそうやな〜…………
でもスマンなぁユウジ。 さっき身を引く、とか思っとったんやけど、やっぱ無理みたいや。
皆おらんし、二人っきりになるんには絶好のチャンスやし、
この9月11日、こないなカタチで終わらせたないんや。
やっぱり俺、ユウジん事好きやから、一緒におりたいんや。
よぉ、皆おとなしく身を引けたなぁ、と思う。
よぉ、皆独占的を隠しきれたなぁ、とも思う。
せやけど…………、
俺は、ムリ。
下校時、ユウジと小春の中へ割って入った。
そしてユウジの腕を無理矢理引っ張った。
「ちょ、お前!何しとんのじゃっ!?」
勿論、ユウジは抵抗。
そんなんお構い無しに、小春にこう告げる。
「俺、ユウジの事、ホンマに好きやから、めっちゃ好きやから、本命やから――――――――――――…もらってくな?」
「おまっ、小春に何言うてんねんっ!」
ユウジの腕を掴んだまま俺は走り出す。
もちろん行き先は俺の家、俺の部屋。
逆転劇はここまでと。
(続きは後でや、後で。)
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