結局俺は、白石に何をしたいんだろう。
恋を伝える?
愛を伝える?
何を伝える?
この愛で君を、
「白石、大丈夫か?」
あの放課後。そう、白石が襲われた日。
やけど、それは未遂で終わった。俺が助けたから。自分で仕組んだ事やのに……バカらし。本当はそんなつもりやあらへんかったのに。
やっぱ白石を好きやから嫌やったんかな、他の奴にヤられるんは。
好きやから、嫌、か。
「う、ん……堪忍な…………謙也」
白石にとってはえらく精神的に傷付いた事やったらしい。
「スマン、スマンな……白石っ…………!!!」
はじめて、
「どうしたん!?謙也」
はじめて白石に本気で謝りたいと思った。
多分……本当の事は言えない。いや、言う勇気が無い。
もう元の関係に戻れない様な気がして。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい」
「ちょ、謙也っ落ち着き!!」
何でやっと自分のやっている事がおかしい事だって気付くんだろう?
遅い、遅すぎるよ。
「ごめん、ごめんね白石。今までごめんなさい。好き、大好きだよ
今も、これからも、…………………ずっと!!」
「ハハ、照れるわ謙也…何や、何でやろ、……やっと、本当に“好き”って言われた様な気がしてならんわ…………何でやろ?」
あってるよ白石。俺もそう思うよ。
白石にはじめて謝りたいと思ったのはもちろん、はじめて心から“好き”だとか“愛してる”って伝えた様な気がしてならないよ。
今までのは全て偽物にすぎなかった。
良かった……想いを伝えられて。
良かった……わかり合えて。
だけど、やっぱり罪はそう簡単に償えるモノじゃないから。俺がやった、という事が白石にバレなくとも、俺がやった、という事実は残るワケだ。
一生白石と居れる。
やけど、
一生その事を隠しながら背負ってかなければいけないんだと思った。
それはどんな事よりも、重い事だな、と思った。
壊した。
自分を見失った日、
君は俺と一緒の道を選んだ。
俺の所為でも君の所為でも無い。
これは“愛”の所為。
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