3月16日
おはようさん、諸君。
いつも完璧で基本に忠実な白石蔵ノ介やで!!
昨日考えぬいた結果、俺は何事も1人で考えてまう、という何とも優等生的な癖が見つかってしもうた。
やから、俺は思いついたんや……
俺にも頼れる……いや、頼る仲間が必要なんや! と。
―――――――――――
「―――で、何で俺なんすか?白石部長。」
「なんか天才で憎い事に謙也のダブルスパートナーやからや!!」
「褒めてんのかけなしてんのかわからんスわ…」
「っと、こないな事言っとる暇は無いんやった…!財前!!謙也から、今一番欲しいモン聞いてくれんか?」
「ハァ……?めんどいっスわ。」
「白玉ぜんざい1ヶ月分」
「まーしゃーないスわ」
「ほな、よろしゅう!」
財前は白玉ぜんざいさえあればちょろいもんや! これでプレゼントの手配はバッチリやな!!
あとはシチュエーションの問題や……
どないする?白石蔵ノ介……家族を追い払う手を使うか?でも五月蝿い姉と友香里が居るし……! 逆に謙也ん家に押し掛けるか……?でも謙也には確か弟の翔太クンが居ったハズ…………!!!
うぁぁ!!どないする!どないする?俺!!??
こういう時、ラブストーリーではどないな風になっとったっけ?
俺は必死に月9やらなんやらのドラマを思い出そうとしたんやけど……
あああああああああああああああ思い付かへんんんんんんんんんん!!!
!!!!あ゛ァ!!!! ラブストーリー=恋愛物語=ケータイ小説?=…恋愛小説…………!!! ハッキリ言うて、あんま関わりたくない相手……
「お、忍足…侑士クンや!」
サッ、と携帯を取り出す。
何故か忍足クンの番号が登録されとった。……………………な、なんでや!?謙也が登録したんやろか?
まぁえぇか、とダイヤルボタンを押す。
プルルルル、プルルルル……
ピッ、
「あ、侑士ク…『おい!忍足!!携帯の電源は切れって言っただろうが!!』
ん?跡部クンの声……?
『あースマン堪忍なぁ、景ちゃん……誰からや?』
景ちゃん……!?っちゅーか忍足クンの声やないみたいや!!むっちゃふざけとる感じの声……やな?
『白石蔵ノ介……随分とおもしれぇ相手じゃねぇの………ん?………通話中になってるぞ?』
ボタン押したん自分やで?跡部クン。
『え?ホンマ!?早よ出な!!ぁ〜ゴホン、もしもし?忍足です』
今から声のトーン下げてもイミあらへんて……
「あー……忍足クン?白石やけど、、急にスマンな!電話なんかしてしもうて……」
「あ〜えぇて…で、何の用なん?ウチの謙也が何かやらかしたん?」
カチン
「正しくは“俺の”謙也やけど、そうなんや謙也の事なんやけど……明日は何の日?」
「謙也ん日。」
「まぁ、常識やな。
そうや…謙也の誕生日やで!俺は忍足クンの力を借りたいんや!!」
「別にえぇけど…………ナニすればえぇん?」
「れっ、恋愛小説について!!!!!」
「まかしとき!!」
それから忍足クンのドキッ☆恋愛小説講座は2時間…………いや、それ以上の時間に及んだ。
謙也の誕生日まで、
あと1日!!
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