高尾和成15歳。バスケが好きで王者と言われる秀徳高校に見事に合格した春。勿論、入部した部活はバスケ部で、鷹の目のお陰か、それともオレ自身の技術のお陰か、1年にしてレギュラーになることが出来た。秀徳高校に進学したもう一つの理由、キセキの世代の緑間真太郎とまさかオレがこんなに仲良くなるとは思わなかったけれど、これはこれで充実していると思っている。そう、オレの高校生活は勉強を除いてめちゃくちゃ充実していたのに、この人の所為でそれも一変することとなった。

宮地清志。バスケ部3年。オレの先輩。自他に厳しく、それ故か物騒な物言い故か後輩たちから酷く怖がられている先輩だ。コミュニティー能力が高いだなんて、周りから良く言われるオレでも正直言って苦手な先輩。何と言うか、隙がないと言うのか。この人とだけはあまり関わり合いたくないと言うか、上手く言葉に出来ないけれど。

とは言え、宮地サンもレギュラー。毎日部活に行けば嫌でも顔を合わせるし、試合が近くなれば尚更だ。練習なんかで接触する機会だって増える。これはこれ、それはそれで割り切れればいいんだろうけど、残念ながらオレはそこまで大人じゃないのも事実で。それでも大好きなバスケってだけで、そんな気持ちも多少は薄れてくれるんだけど。


「1年、もっとしっかりモップ掛けしろよ。おい、高尾!!聞いてんのか!?」
「あー…もうまた宮地サン吼えてるよ…何でいっつもオレ……」


大抵、宮地サンの矛先が向くのがオレ。そんなにオレが嫌いなのかと、何度嘆いたことか。宮地サンと仲の良い木村サンには「お前好かれてんなー」なんて言われたけれど、そういう風にはどう考えたって見えない。モップ掛けに手を抜けば容赦なく鉄拳が飛んでくるし、いつか本当にパイナップルが飛んでくるんじゃないかってビクビクしてたり。

大きな溜め息を吐いて、隣で一緒にモップ掛けをしていた真ちゃんに同情の言葉を掛けられる。「金をくれ」とは言わないけれど、そんな言葉を掛けるくらいならば是非とも代わって欲しいくらいだ。言葉の最後に滅多に笑わない真ちゃんの嘲笑とも取れる笑みを受け、それを思いっ切り睨み付けるとオレは未だに火を吹いて吼えている宮地サンへと走った。「遅い」と言われるのはもう慣れている。まぁ、オレは宮地サンの奴隷でも何でもないんだけど。「はい、此処」と宮地サンが指し示す場所をモップ掛けしていく。そんな日が此処最近ずっと続いている。

チームメイトからの哀れみの視線を浴びながら、もう一度深い溜め息を吐いた。最初は後輩に対してこういう人なのかと思った。けれど、よくよく考えてみたら宮地サンの口から飛び出すのはオレの名前ばかりだ。努力して漸くレギュラーになった人だから、きっと1年でレギュラーになったオレと真ちゃんのことが気に入らないのだろうとも思った。けれど、それも違った。何度も繰り返すようだけど、宮地サンの口から飛び出すのはオレの名前だけ。真ちゃんの名前すら出てきたことが無いのだ。ともなれば、真ちゃんはキセキの世代だったプレイヤーだからレギュラーは当たり前だなんて思っているのかもしれない。

そこまで考えて、それでもオレばかりに矛先が向けられることに対して納得が出来なかった。納得出来る方がおかしい。アンタの後輩はオレだけじゃないんですけど。なんて文句は山程あっても、やはり相手は先輩。そんなことは口が裂けても本人には言えない。言ったところで宮地サンのことだ、実力行使されるに決まっている。

部内で宮地サンのパシリという悲しいポジションを確立したオレだったのだけれど、そんな中で宮地サンの一言にオレは酷く驚かされた。部活が終わって後片付けをしていた、体育用具室の中での事だ。


「高尾。お前ってさ、緑間のこと好きなわけ?」
「…へっ!!!!??」
「………。お前、分かりやっすい反応だな…」


宮地サンのこの一言にオレは心臓を掴まれたかのように驚いてしまった。宮地サンは深い意味でこの質問を投げ掛けてきたわけではなかったようだけど、オレの心の内を見透かしたかのような問い掛けに動揺を隠せなかった。そう、オレは確かに真ちゃんが好きだったからだ。好きと言う感情にも様々な種類がある。オレと真ちゃんは男同士だし、この場合は勿論友情と言う意味での好きっていうことだったんだろうけれど、オレは違った。本当に、真ちゃんのことが好きだった。恋をしていたんだ。

だけど、オレだってそこまで馬鹿じゃない。男同士の恋愛なんて実るはずがないと思っていたし、同性のオレなんかに告白されたらきっと真ちゃんだって気持ち悪がるに決まってる。だからオレはこの気持ちを隠してきた。真ちゃんは勿論、周りの奴らにもバレないように隠してきたと言うのに、どういうことか宮地サンには見透かされていた。あまりに意表を突いた一言だった所為もあり、動揺して、思わず本音をぽろり「何で分かったんすか!?」なんて返してしまった。

オレのこの反応が宮地サンにとっても予想外だったのだろう。ぽかんと口を開けて、こういうの何て言うんだっけ。鳩が豆鉄砲食らったみたいな顔をしていた。宮地サンのその表情に何の疑問も抱かずに、オレは次々と自身の内に秘めていた想いを吐露していた。最初はそんな気なかったのに、いつの間にか真ちゃんのことを好きになってしまって、彼奴の我が儘も嫌だとかそんな風には感じなくなって、真ちゃんがオレを傍に置いてくれていることが嬉しくて仕方なくなってた。なんて、まるで恋する乙女みたいに頬を赤らめて宮地サンに話してしまっていた。

自分の気持ちを全て吐き出したところで、オレは漸くハッと我に返った。何でこんな素直に自分の気持ちを話してるんだろう、オレは。こんなこと話したら尚更宮地サンにからかわれる。弄られるネタを増やしてしまうだけだと言うのに。慌てて口を塞いでも、それはもう遅かった。やってしまった、と恐る恐る宮地サンの顔を伺う。きっとにやにやと厭らしい笑みでも浮かべているんだろうと、そう思って。

けれど、その表情はオレの予想とは全く別のものだった。


「お前も大変だな。ま、頑張れよ。応援…してっからさ」
「あ、え…有り難う御座います…」


ぽん、と頭に手を置かれて少し乱暴だったけれどわしゃわしゃと撫でられた。予想外だ。絶対にからかわれると思ってたのに。気持ち悪がられると思ってたのに。まさかこんな風に言われるなんて思わなくて、誰にも話せなかった所為もあって、こうして宮地サンが受け入れてくれたことが何だかとても嬉しかった。この人は根っから悪い人ではないんだなって、少し、ほんの少しだけ見方が変わった出来事だった。

なんて思っていたのも束の間。やっぱりオレの扱いは変わらない。真ちゃんのことでからかわれることはなかったけれど、それを除けばいつもと何ら変わりのない、むしろ、前にも増して激しくなるオレ弄り。あの時のことがまるで嘘みたい。

この日もそうだ。真ちゃんと帰る約束をしていたのに、急に宮地サンが「自主練付き合え」なんて言い出した。真ちゃんが待っているからとか、観たいテレビがあるからかと言っても宮地サンは聞いてはくれなかった。「付き合わねぇと轢く」なんて笑顔で言われて、本当に轢かれるような気がして、この人ならやりかねないなんて思ったら逆らえなかった。

バスケは好きだけど、厳しい練習と宮地サンにコキ使われてもうクタクタ。早くベッドに飛び込みたい気持ちでいっぱいだって言うのに。オレは大きな溜め息を吐いた。


「ねぇ宮地サン。宮地サンってそんなにオレのこと嫌いなんすか?もぉ…オレ、クタクタっすよ。帰りましょ?」
「………5本、スリー入ったらな」


宮地サンの練習に付き合いながら、思わず本音がポロリ。しまった、とは思わない。そんな気力すら今のオレにはなかったから。宮地サンに掛けた言葉と共にボールをパスすれば、宮地サンの動きが一瞬止まった。どうかしたのかと小首を傾げてみるも、直ぐに言葉が返ってきたことにオレはそれ以上何も言わなかった。3Pラインから放った宮地サンのシュートは、綺麗にゴールへと吸い込まれていった。

少しだけ宮地サンの様子がいつもと違った。そう感じていても、何がどう違うかは分からなかったけれど、でも確かにオレが声を掛けてから少しだけ変って言うか、やけに口数が少なくなっていた。その所為か、その日はそれ以上オレを弄っては来なかった。

帰り際、突然の雨。さっきまで晴れていたのに、急に雨が降り出していた。体育館に射し込んでいた夕日が嘘みたいで、空には黒雲が立ち込めてゴロゴロと音を立てていた。まさしく夕立と言うやつだろう。当たり前ながらオレは傘なんて持っていなくて、仕方なく雨の中を走って帰ることにした。疲れた身体に追い討ちを掛けるように強い雨足。生徒玄関で恨めしげに空を見上げて溜め息。さて一歩踏み出そうとしたところで腕を掴まれた。宮地サンだ。

宮地サンより早く着替え終わったオレは、「お疲れ様でした」と声を掛けて一足先に部室を出たのだが、オレが恨めしげに空を見上げているうちにどうやら追い付いたらしい。


「一緒に入ってく?何なら送ってくけど。自主練、付き合ってくれた礼に」
「え、でも…オレが入ったら宮地サン濡れちゃいますけど…」
「いーよ。お前に風邪引かれちまうよりは全然マシだからさ」


男二人が入るには少しだけ小さなオレンジ色のビニール傘。雨足の強いこの雨の中では、二人入った小さな傘が無意味なくらいで。それでもずぶ濡れになるよりはずっとマシなんだけど。いつもは人様をコキ使ってもお礼なんてしないのに、やっぱり今日の宮地サンは少し変だ。自分が濡れるのもお構い無しにオレを傘に入れちゃって。ほら、宮地サンの肩はもうびしょ濡れなのに。

そんなんじゃオレが風邪引く前に宮地サンが風邪引いちゃうのに。律儀に家まで送ってくれて、宮地サンは「また明日な」なんて言って背を向けて行った。その背中を見詰めて、オレは宮地サンのことが正直分からなくなってしまっていた。意地悪ばかり、オレをからかってばかりで、部活になればコキ使ってばかり。溜め息が出ることばかりだったのに、最近の宮地サンは時々優しくて、戸惑ってしまう。

嫌な先輩だと、思っていたのに───。

それから何度もそんなことを繰り返した。繰り返せば繰り返す程に、オレには宮地清志と言う人物が分からなくなってしまっていた。意地悪な宮地サンと優しい宮地サン、一体どちらが本当の宮地サンなんだろう。こうして、真ちゃんの相談に乗ってくれてる時はとても優しいのに。

オレの気持ちを唯一知っている宮地サン。当然、恋の相談も宮地サンにしか出来なくて、勿論最初は相談することを躊躇った。からかわれることを恐れて。それでも、なかなかオレと真ちゃんの仲は進展しなくて、ただの相棒止まりで、そこから脱したくてオレは思い切って唯一気持ちを知っている宮地サンに相談を持ち掛けた。予想外に宮地サンは快く相談に乗ってくれて、今ではコキ使われている間でもポツリと進展の無さを嘆いてしまう程になった。

そんなことを繰り返してどれくらいか経った頃、オレは遂に真ちゃんに自分の気持ちを伝えることにした。鈍感な真ちゃんには、ちゃんと気持ちを伝えないと気付いてくれないんじゃないかと思って。宮地サンはそのことに対して少し苦い顔をしていたけれど、だけどもうこれしかないんだ。


「ごめん真ちゃん、呼び出して…ちょっと話があるんだ…」
「なんなのだよ?早く話すのだよ」


授業が終わってすぐ、部活が始まる前に真ちゃんを呼び出した。わざわざ人気のないところまで連れてきて、流石の真ちゃんもその内容が人にはあまり聞かれたくないものだと察してくれたようだったけど、それでも少し不機嫌な顔をしていた。早く部活に行かせてくれと、口にはしていなかったがそう言いたいのだと言うことはオレも察した。
心臓が煩く跳ねる。早くしろと急かされる度に、そのスピードが増しているように感じた。生徒達の雑踏も、周りの音も何も耳に入ってはこない。オレに聞こえてくるのは最早自分の心臓の音だけで、得意の鷹の目すら無意味な程に目の前にいる真ちゃんしか見えていなかった。震える口唇をきゅっと噛み締めて、そしてゆっくりと口を開いた。


「オレ、真ちゃんが好き…友達として、とかじゃなくて…ガチで真ちゃんが好きなんだ…」


遂に、言ってしまった。顔から火が出る程に熱くて、拳を握り締めて俯いてしまった。沈黙が走る。その間もオレの耳に届くのはオレの心臓の音だけだ。どれくらい沈黙が走っていたのだろう、最早オレにはとても長い時間に感じられていたのだが、漸く真ちゃんがオレの名前を口にすると、オレはビクリと肩を跳ね上げて顔を上げた。翡翠の双眼がオレを見詰めている。その表情はどこか厳しい。


「冗談はやめるのだよ…オレとお前は男同士、気持ち悪いとは思わないのか?話が済んだのなら、オレは部活に行くのだよ」


頭の中が、真っ白になった。途中から真ちゃんの言葉が上手く頭に入っては来なくて、それだけ告げた真ちゃんはオレに背を向けて部活へと向かって行った。遠くなる真ちゃんの背が、何故かぼやけていた。その場に立ち尽くしたままのオレが、泣いていることに気付いたのはその涙が頬を滑り落ちた時だった。

分かっていた。きっとこうなることは、真ちゃんに気持ちを伝える前から何となく予想は出来ていたことだから。だけどやっぱり、本人から直接言われるのはキツい。涙を拭う余裕すらオレにはなくて、オレも部活に行かなきゃいけないのにその背を追うことも出来なかった。コートに立てば気持ちを切り替えなきゃいけない。それは分かっているのだけど、今のオレにはそれが出来そうにはなかった。

かくん、と膝から力が抜けてその場に座り込んだ。俯いた先にいくつも小さな水溜まりが出来ている。オレの、涙。明日からどんな顔して会えばいいんだろう。失恋が、こんなに苦しいものだなんて思わなかった。胸が、苦しい。


「こんなところに居やがったッ…!」
「…え………?」


不意に視界が暗くなり、上から降ってきた声に顔を上げる。さらさらとした蜂蜜色の髪。意地悪でオレの苦手な先輩。肩を大きく揺らして、息を切らした宮地サンがそこに立っていた。どうして宮地サンが此処に居るんだろう。またオレをコキ使う為に探していたのだろうか。ぽかんとした顔で宮地サンを見上げていたら、オレの目の前に膝を折った宮地サンに抱き締められた。

あまりにも突然のことで。いや、宮地サンが此処に現れた時点でオレの頭はついていけてはなかったのだけど、自分の身体を包み込む別の体温に、オレは目を見開いた。状況が良く、理解出来ない。何でオレは宮地サンに抱き締められているんだろう。泣いていたから?慰めてくれてるのだろうか。

すぅっと息を吸い込めば、普段はあまり感じたことのない仄かな甘い香りが鼻を擽る。ぽつりと「あの…?」と溢せば、宮地サンの声が耳に届いた。


「お前、緑間と一緒じゃなかったから…聞いたら、告白されたって言うし…もしかしてって思って…」
「ははっ…そのもしかしてっすよ……フられましたー…」


力なく笑ってみせれば、オレを抱き締める宮地サンの腕に力が籠った。「無理して笑うんじゃねぇよ」なんて言われちゃったら、せっかく引っ込んできた涙がまた溢れてきちゃうじゃん。頭を撫でられて「頑張ったな」なんて言われちゃったら、涙が止まらなくなっちゃうじゃん。

嗚咽混じりに「なんで?」と聞けば、宮地サンは少し身体を離してオレの目をジッと見詰めてきた。そんなに見詰められたら恥ずかしい。ただでさえ、涙でぐちゃぐちゃの顔なのに。全てを言わなくとも、宮地サンはオレの「なんで?」の意味を察してくれた。なんで此処に来たのか、と言う意味だ。

オレの目尻、涙が溜まっているそこを親指で拭いながら、宮地サンはにこりと笑ってみせた。


「心配だったから、に決まってんだろ。正直、ちょっとホッとしたわ…」
「ホッとしたって…?なんで…?」


宮地サンの優しさにまた涙が出そうになって、その後の言葉にきょとんとした。オレが真ちゃんにフられてホッとしたと言う意味なら、宮地サンはやっぱり酷く意地の悪い人だ。オレがフられて泣いている姿をわざわざ見に来るなんて。そう思った。だけど、宮地サンはなかなか口を開かない。答えを急かすように、宮地サンのTシャツをきゅっと握り締めた。

目線を泳がせて、オレから視線を逸らしながらも何度もチラチラとオレの顔を見て、何度かそれを繰り返した宮地サンは、漸く観念したかのように口を開いた。


「お、お前のこと…好き、だから……」


時間が止まったかと思った。それくらいオレの動きはぴたりと止まった。勿論、涙も。オレを泣き止ませる為に言ったのなら、大成功だよ宮地サン。驚き過ぎてなんて言ったらいいかも分からないくらい、オレはその言葉に戸惑っていた。

だって、普通に考えたらそうだ。今まで散々弄られて、からかわれて、コキ使われてきたんだ。確かに相談に乗ってくれたりだとか、優しいなって思ったことは何度かあったけど、それらを考慮してもオレはどちらかと言ったら宮地サンは苦手だし、宮地サンはずっとオレが気に入らないんだと思っていたんだから。

とは言え、最初の頃よりは苦手じゃなくなったのも事実なんだけど。


「…嘘ですよね、宮地サン?オレのこと気に入らないんじゃ…」
「だから!!好きだっつってんだろ!!!」
「だって今まで散々からかったりしてきたじゃないっすか…」
「好きなやつは苛めたい、アレ?」
「……コキ使われてきたし…」
「ちょっとでも一緒に居たくて?」
「真ちゃんの相談も乗ってくれてたじゃないっすか…」
「お前が幸せならいいかなーって」
「…………………………」
「………………何か言えよ、おい」


じわり、また涙が溢れてきた。何で涙が溢れたのか自分でも分からなかった。宮地サンを散々質問攻めしたくせに、オレの頭の中はまだ混乱していて、展開が早すぎて付いていけなくて、ただ泣くことしか出来なかった。宮地サンは物凄く焦っていたけど、どうしてか止められないんだ。

こんなオレのことを好きだって言ってくれて、まぁからかわれたりしたのは納得出来なかったけど、それでも少しでも一緒にいたいだとか言ってくれて、本当宮地サンって卑怯。卑怯だよ。今このタイミングでそんなこと言われたら、好きになっちまいそうじゃん。


「高尾、好きです。だから今度はオレを好きになって下さい」


オレの新しい恋は、この瞬間から始まっていた。





不器用な愛情表現

(オレが好きならもっと可愛がって下さいよ、宮地サン!)(可愛がってんじゃん、めちゃくちゃ愛情込めて!)






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