「これ、なかなか難しい…」
「何やってんだよ、マイ」
「ショウ!いえ、この花を使えば花冠ができるって聞いたものだからヨーコに作ろうと思って…」
「にしたって手ボロボロじゃねーか。ったくお前もヨーコと同じ女なんだから大事にしろよ?俺が教えてやっから一旦その泥落としに行くぞ」
「ショウ…。うん、ありがとう」
*
*
*
「…で、最後にこう巻きつけんだよ。これで結んで完成」
「わあ、すごい!すごいよショウ!!魔法使いみたいだった♪ ふふ、これでヨーコに花冠をプレゼントできる〜!」
「ああ、良かったんじゃねーの。…それと、俺が作ったのはお前にやるよ」(言って、マイの頭に花冠を乗せるショウ)
「え?え?」
「俺の…す…大切なやつはお前だからお前にやるんだ!」
「いいか?俺以外の誰からも受け取るんじゃねーぞ!!」
耳を赤くして早口でまくしたてた彼は、走り去っていくのも早くて。
ううん、それは言い訳かもしれない。…きっと、何も言えなかった。
ただ、この温かみの残る花冠はずっと覚えておこうと思ったんだ。
(花冠、ふわり)
〜Fin〜
Prev Next
Back