家に帰って、奏哉の病院に行った。
「こんばんは。」
「こんばんは、成留ちゃん。いつもありがと。」
 沙奈さん(奏哉のお母さん)に笑って奏哉の枕元にいく。

意識は、まだ戻って無い。脳波にもMRIにも何も問題ないのに
奏哉の意識は無い。
なにグズグズしてんのって、
沙奈さんが居ないとき、手を抓ってみた。
手は、暖かいのに、人間的な温かさが無かった。
「奏哉、3週間後までに意識が戻らないと、
脳死って認められて臓器のドナーになるのよ。」

「え?」
「私、奏哉にずっとこのままでいて欲しくなくて。
誰かの体の一部になって、生きてくれるのなら……
私は嬉しいの。この子には父親が居なくて苦労させたから。」


 あたしも、沙奈さんと同じ思いだった。
この前気付いたけど、奏哉の最初のメールにメッセージがあった。

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