「水城さん、水城さん!」
「淡雪と霞深って、変わった名前だね〜」
「あーちゃんとみーちゃんって呼んでいい?
わたしのことは弥生って呼んでね!」
 などというように女子がむらがっていた。
でも、淡雪と霞深、笑って、でも、何かを探してた。
…何を探してるんだろう。

「永久〜」
「む、成留か。何用だ?」
「ナニヨウって、相変わらずすごい喋り方だね…
あのさ、社会の資料貸して」
「小生のくらすに今日は社会の授業がない。」
「…。」
 いま、社会のせんせーがでてきて、がっつり黒板には
“倒幕運動”と大きく書かれている。
…あったんじゃん!社会。
 まぁ、いいや。

「あのさ、今日あたしのクラスに
 転校生が来たんだけど。」
「水城 淡雪と霞深姉妹だろぅ?」
 …なんで知ってるのだろう。
永久は髪の毛をいじくりながらボソボソ喋った。

「小生はあやつらを知っている。かなり変わったやつらだ。」
 永久に変わったやつらと言われてるのだから、
かなり変わってるのだろう。
まぁ、クラスの人気者だろうし、
関わることもあまりないと思うけど。

 それから、また少し時が流れた。

文芸部はそろそろクーラーの出番だということで
クーラーのなかのフィルターを掃除した。
埃が沢山たまってて、すごく大変だった。
「フィルター…」
 
 と朱鳥先輩が何回もフィルターと繰り返し反芻していた。
3年生の先輩が修学旅行に行ったあと、お土産も沢山くれた。
名菓と書かれた箱、ストラップ、万年筆、シャーペン…………
「こんなにもらえませんよ。」
 そういったけど、先輩達は笑って沢山の
お土産を手に押し込んでくれる。
葵先輩が大きな袋ごと渡してくれて、
あまりそういうことに
興味が無いと思ってたから、少し意外だった。
 「成留せんぱい」
「ん?」
「かなや先輩、どですか?」
「奏哉?んー……まだ意識戻って無い。」
「そうで、すか。」

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