はとこという微妙な位置だけれど、
花蓮は意外とうちと仲良くしてくれた。

「知笑さんから、SOSメールが来たんだよ〜。」
 そう言って、パールホワイトの最新型携帯を見せてくれた。
 
{Dear 花蓮ちゃん
 助けて!朱鳥ちゃんが倒れたのぉ(・_;)
 どうしようどうしよう助けてぇぇぇ(>_<)}
 
以上。こんな一見切羽詰まったメールを送った本人は今どこに。
いや、予想は付いているんだけどね。どうせくそ爺の所だろう。
 花蓮は、テキパキ動いてうちをベッドから立たせた。

「たぶん、いつもの立ちくらみだろうけど。
また、克行先生の所に検査に行く?」
 と、うちの主治医の名前を出した。
小麦色に日焼けした自分の肌と、うちの肌を見比べて、「見るからにやばそう。」
と、少し眉をひそめた。
冗談じゃない。今年は少し焼けたほうなんだけど。
そう言い返すと、くしゃっと笑って、帰って行った。
 
 もう、帰ろうかな。
そう思うともう止められなかった。ミントソルベという爽やかな緑色が
気に入っている携帯を出して、涼兄ちゃんの番号を押した。
1コール、2コール、3コール。……。まだでない。
4コール、5コール、6コール。…。なにがあったの。
7コール、8コール…。
9コール目で、やっと繋がった。

 「もしもし。」
「涼兄ちゃん。」
 声を聞いた時、緊張の糸がほぐれていくのをはっきりと感じた。
「…。なんだよ、どうした?」
「何でもないよ。うち、今から帰るから。晩御飯、作っておく。」
 
 「朱鳥ちゃん!!???」
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