05
さて、このクラスにはもう一人私の知っているというか、原作の方でテニス部レギュラーの方がいらっしゃいました。


「あー、眠くて死にそうじゃ」


そう、詐欺師こと仁王雅治。
ちなみに一年のときから銀色の髪をしてるみたい。

まだ尻尾は付いてません。

そして私達が座っている窓側席から見て逆サイドの前から三番目が幸村くん、なにやらこちらをずっと睨んでくるんで怖いです。

私が悪いわけじゃないでしょ!

居たたまれなくなって窓の方を向くと、仁王雅治がじっとこちらを見つめていた。


『…なにか?』


「いんや別に、」


会話が続かなくなり、しょうがなく机に突っ伏していると、なぁと話しかけてきたので、徐に顔を上げるとやはり仁王雅治が頬杖をつきこちらを見ていた。


『なんですか、とりあえず名前を名乗って欲しいです』


私が一方的に知っているだけなんで聞いとかないと話が可笑しくなるよなと思い一応聞いてみた。


「ん、仁王雅治。仁王でいい。…お前は俺の髪見てもなんも言わないんじゃな」


あーそうか、常識的に考えて銀色というのは不自然だよね。

しまった、ここは驚くふりをしとくべきだったかなー。

よし、こういうときこそ禮耶を使おう!


『私の兄ちゃんも変な髪の毛してるからそんなに驚かなかっただけかな。多分誰かに染めてもらったんでしょ?』


あたり、と言ってふんわり笑う仁王くんはとてもきれいだった。

「みんなあからさまに俺を冷たい目で見てくるんでちょい傷ついとったんじゃ。ったく姉貴が悪戯半分で染めよってから…、」

あ、そんな背景があったんですね!

知らなかったな、でもやはりやることが、仁王くんのお姉さんって感じだね。


『まぁ染めてる人とかって質の悪い人とかが多いからじゃないかな?でも私仁王くんの髪綺麗だと思し好きだよ』


そういうと仁王くんは目を見開き照れたように頭を掻きながら目をそらした。

可愛い反応だねー!
まだ中一だからかな?


そんなことを思ってると、仁王がなにか呟いた。


『え?』


「…名前、まだ聞いちょらんかったじゃろ?」


『ああ、二ノ宮詩織です。よろしくね』


それから入学式があるらしく、廊下に並んでいるときに幸村くんが声をかけてきた。


「やぁ詩織、席離れちゃったね。せっかくちょっかいかけられると思ったのにな」


『いやいや、止めてよそんなの!てかあそこから私を睨むの止めて欲しいよ、めちゃ怖いからね!』


「まぁ考えておくよ。それより隣の席のあいつ誰だい?やけに親しそうだったけど?」


『えっと仁王雅治くん、親しそうに見えた?さっき初めて喋っただけなんだけど』


そういうと何やら考えているような顔をして、いいやと首を振る幸村くん。

なんかあとが怖いなー。


すると隣のクラスから真田くんと柳くんが出てきた。


『あ、見て幸村くん。真田くんと柳くんだ!』


「本当だ。あ、真田帽子担任に取られた」


見てみると真田くんが必死に担任に抗議してるみたいだけど無理みたい。

普通入学式に帽子被っている人っていないよね!

そんなことを言っていると列が動き出したので、一旦幸村くんと別れ自分の列に入り、体育館に入場した。



今日から立海生になりました!

(…なぁ二ノ宮、あの手を降って詩織ーって叫んでるメッシュの男って、)

(そうだよ兄さんですけど、恥ずかしいから言わないでというか見ないで!)

(分かったナリ)



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