03
『えっと…、ここかからどう帰ればええんやろ…』
はい、こんちはー。
前回買い物に行った私でしたが、完璧迷いました。
いや、買い物はしたんだよ!
でも帰りに地図を猫に破かれ、風にとばされるというハプニングがありまして…。
こう見えてもすごくドジなんですよなー。
あはは…。
あ り え な さ す ぎ だ ろ
あー、ちょうど良いところに3人の神様が!
『あのー少しいいですか…!?』
なんとその3人とはまだ幼さが残っているが、立海の三強と言われている幸村、真田、柳だった。
やっちまったー!
「はい、どうかしましたか?」
ヤバいヤバいヤバい!!
あ、でも今はあの黒いと噂される幸村くんが今は天使に見えます!
てか何故敬語?
ああ、私がでかすぎて同い年に見られてないとか…。
「それで何のようだ?」
あっすみません参謀、意識が飛んでました!
『すみません、道をお尋ねしたいんですけど。まだ引っ越してきたばっかでこのあたりがよくわからなくて…』
「ふむ、地図をみして見ろ」
真田が…こんなにも優しいなんて!
いやいや、じゃなくて。
『途中で猫に地図を破かれまして』
「どうだい柳。わかるかい?」
「あぁ、だいたいの場所は検討がついた」
えっ!
この半分だけの地図でわかるのですか!?
「では我らでよければ案内しよう」
「真田は分かってないんだろう、場所?」
あ、真田が冷や汗をかいている。
今は触れない方がよさそうだね。
『お願いします。ホント申し訳ないです』
いやいやと幸村くんが微笑んでくれてちょっとほっとしました。
「じゃあ、ついて来て。えーと、名前聞いても良いかな?」
『あ、詩織です。二ノ宮詩織』
「俺は幸村精一、そして隣が…」
「柳蓮二だ。ちなみに、女ではない」
ああ、まだおかっぱだからか!
「はい、わかっていますよ」
そういうと一瞬驚かれたがフッと微笑んだ。
「あ、それとやけに老けた帽子は真田弦一郎っていうんだ」
よろしくお願いしますと頭を下げたら少し慌てた様子でうむと言ってくれた。
一応そのあとで、今年から中学なんですと言ったら少し驚かれた。
なんでも雰囲気が大人っぽいらしい。
一応元高校生だしね!
「あ、じゃあどこの学校に進学するの?」
しまった、禮耶に聞くの忘れてた!
『あー、えっと、実は今は兄が親代わりなんでまだ聞いてないんですよ。バイトからまだ帰ってきてなくて』
「そっかー」
ふー、なんとかごまかせたかな…。
「じゃあ、分かったら僕らにメールしてよ?」
ん?
『あの、えっ?』
「メアド交換しようって言うこと!ちょうど同い年だし、なんか詩織ちゃん面白いし」
うえええ!?
助けを求めようと真田くんと柳くんを見ると諦めろといったご様子。
それから4人でメアドを交換した。
真田が持ってるのにはびっくりしたけど。
しばらくすると柳が歩くスピードを緩めた。
「だいたいここらへんだと思うのだが。もうすぐ公園が見える確率82%」
ああ、たしかこの公園の角を曲がると家につくはず!
『ああああああ!!すごい柳くん!』
「ということはこの辺が家なのか?」
『うん、そうです!あの黄色い壁の家なの』
マジで着きました。
参謀ありがとう!
「じゃあ俺たちはここで」
『うん、ありがとう幸村くんに柳くんに真田くん!』
なんか短時間ですごく仲良くなった気がするなー
そういえば、お礼しないといけないな。
そう思い、買い物袋の中から板チョコを出した。
『ごめん、こんな物しかないけど、よかったら3人で分けてたべてな』
「ありがとう。あ、詩織ちゃんって関西の方から来た?」
『へ?』
しまった!
うっかりいつもの感じで喋ってたからか!?
『そうだよ。隠してたつもりやってんけどなー』
「うむ、なるほど。少し違和感を感じていたのだがコレのことだったか」
あっ、やっぱり私隠し事は出来ないタイプみたいです。
「それでは帰るとするか」
『お気をつけてー!』
3人を見送った後、家に入ると禮耶がニヤニヤしていた。
「よぉ、結構時間かかったな」
『だって途中散々だったんやで』
「まぁ、よかったじゃん。三強と仲良くなれたんだし」
『な、なんで知ってんの!?』
神サマだからーとほざく禮耶の頭を殴りながらふと思い立ったことを聞いた。
『ねぇ、学校ってどうすんの?』
「あ?あぁ、立海大付属」
『立海に通えと!?』
「ここからだと1番近いしな」
あー、これからは静かに暮らしていくのは難しそうです。
動き出した歯車
(何をさっきからにやにやしとるんだ幸村?)
(いや、詩織ちゃんって面白いなーと思って)
(幸村が詩織を気に入った確率、そして同じ中学校の確率ともに90%…だな)