01
―キーンコーンカーンコーン―

『うーん…今日も無事学校終わった!』

背伸びをしながら帰る用意をする。

「なー詩織、今日カラオケ行かへん?」

『えーっとごめん。今日はちょっと用事があるから!』

『え、ちょっ詩織!?』

そう言ってクラスから走って出る。

本当は別に用事なんてない。
ただ家に帰ってゆっくりしたかっただけ。

昔っから私はこういう一面をもっている。
おかげで親友といえる友達も少ないしクラスで人気者でも無い。

こう見えても部活もやっていた。
女子バスケ部で背が高いという理由でセンターというポジションで三年間やり続けましたよ。
でも、体力が三分しかもたないのが私の最大の欠点だと思っている。
おかげでスタメンではなかったしね。
それであだ名は【ウル○ラマ○】

ま、その点以外ではいたって普通の地味な女の子です…多分。



毎日自転車通学で、今年高校1年になったばかりで今は新品の自転車にまたがって帰宅途中。

鼻歌を歌って帰るのが日課で、今日は最近出たアルバムの『エクスタシー侍のテーマ』

何気にこういうのいけるんですよ!!
いや、そこまでって程じゃないけどね。

この曲がり角を曲がればもうすぐ家にはつくそう思いいつも通りに曲がるとふと違和感を感じた。

中学校のときからこの道は何度も通ってるからよく覚えているのにこういう感覚は初めてだった。

でも、見た目はいつも通りなのに…。

とりあえず家に帰ってみたらわかるかと急いで自転車をこいで家に帰り玄関を開ける。

『ただいまー!…お母さん?』

いつも返ってくる返事がない。
いつもは夕飯の用意をしながら遅かったねっとか言ってくれるのに…。

急いで靴を脱ぎ棄ててリビングへ向かう。

そこはもぬけのからっというよりシーンと静まり返っていて夕飯の用意もない。
おかあさんもいなかった。

『何で誰も居らへんの…?』




「それは此処がお前のいた世界じゃないからだな」


ばっと後ろを振り向くけど誰もいない。

「こっちだっつーの。ったく詩織ちゃんはのろまなんだからなー」


ソファーをみると、くつろいでいて、髪の毛が紺色に黄色のメッシュが入っている如何にも怪しげな男がこっちを眺めていた。

『あんた誰なん?此処私の家なんですけど!』

「そう、見た目はね」


…見た目?


「そうそう、俺はこの世界でいう【神サマ】と呼ばれる存在。とにかく偉い人ってことだな。分かる?」


こいつ絶対頭イッちゃってるよ。


『はぁ?誰がイかれてるだ!失礼な奴だな二ノ宮詩織は』


何で出会ったこともない奴が私の名前知ってんの!?
しかも心読まれてるし!


『だから言ったろ?神サマだって。それにこの家は俺が作り出したモノ、お前の元の家じゃない』


…なんだそれ!


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