06


『取りあえず急いでやってきたは良いけど、どこにいるんですか?』

スポーツ用品店に着いたけど、思っていたより大きくてびっくりした


「ここじゃ真琴、ここ!」

「おーい、ここやで真琴ちゃん!」

わずかに手を振っている感じに見えるのが彼らかな?
つか白石くんさっきまで私のこと名字で呼んでなかったっけ?
ま、なんでも良いけどさ!


『ごめん遅くなった、てか何で私を呼んだの二人とも?』

「いやー、俺ら結構ここに居ることになると思うし値段も結構嵩むと思うから一応真琴ちゃんの許可貰ってから買いもんしよう思て!」

「ま、要するに言うとじゃなー。一緒に買いもんに付き合うて欲しかったんじゃ。」

どうせこれから一緒に日用品見に行かなあかんかったからええやろ?と白石くんが微笑んだ。

あれ?なんか周りからキャーっと黄色い声がしなかったか?


『そうだね。じゃ早速レッツゴー!』

おーと手を突きだし意気揚々とテニスコーナーに向かっていく二人をみて何だかキャラが違うと思ってしまったのは内緒だ「お、新しいモデルが出とる!」

「白石、こっちはシューズも一杯あるぜよ!」


私は椅子に座って目まぐるしく動き回る彼らを見ていた。


「なぁ真琴ちゃん、」

パタパタと走り寄ってきた白石君の手には二つのラケット。

「どっちがええと思う?」

首を傾げながら言う白石君に不覚にも鼻血が出そうでしたよ、ええ…


『白と深緑のラケット…かぁ。』

「おん、どっちも機能性とフィット感はおんなじやから色で悩んでるんやけど…」

うーん、どちらの色も捨てがたい気はするがね。

『私は白かな?なんか白石くんの色って感じがするし。』

でも高校でテニス部入るんだったら、ラケット二本あっても良いと思うよと言うとぱっと顔を輝かせて「おおきに!」なんていって抱きついてきた。


『ちょ、白石くん!』

「ああああ!ご、ごめん真琴ちゃん!」


慌てて離れて照れている白石くんをみてなんかいつもは大人びて見えるのに年相応の反応は新鮮だと思った。

つか白石くん背が高いしいい匂いがしたよ…


白石くんは今度はシューズを見てくるらしくラケットを私に預けてまた去っていった。

すると今度は仁王くんがやってきて「シューズどっちがええ思う?」なんて聞いてくるんで、さっきのやりとりを見てたならと思い『シューズは二個もいらないと思うけど』って言ったら「…ばれたナリか。」と言って頭を掻いた。


やっぱりそういう魂胆だったんだね…


それから色々買いあさった結果恐ろしい料金になったのは言うまでもない。


『…さて、次は日用品行こうか。』


「…真琴ちゃん、怒っとる?」

「あの顔は確実に怒っとるよ。」


『そう思うならみっちり次の買い物は付き合ってもらうからね!』


「了解や!」

「分かったナリ!」

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