04


それからどのくらい経ったのだろう、1時間かもしれないし、30分かもしれない。


いきなりの死刑宣告のよな衝撃的な告白


(元の世界には私たちを覚えている人はいない。)


重苦しい空気が漂う中、私はポケットに携帯があることを思い出し慌てて開く。


言っていることが嘘なら電話が繋がるかもしれないと思ったからだ。

しかし淡い希望は無惨にも虚しい機械音によって砕かれてしまった。



「駄目だったんか…?」

仁王君がこちらを見つめながら呟いた。


『うん、全部駄目みたい。』


はぁーっとうなだれるようにソファーに座る白石君。


「俺ら、しばらくここに住むしかなさそうやな。」


打つ手もつくし、私は何気なしにテーブルをみた。


そこにはさっきまで無かった手紙と通帳があった。


『ちょ、ちょっと来てみて2人とも!』


私のあわてように気づいたのか駆け寄ってくる。


『これみて、』


差し出した通帳の桁を確認すると目を疑うような数字と0の列。


「なんなんやこれ…」「おい、こっちもみてみんしゃい!」


仁王君が読んでたのは一緒にあった手紙。







はろはろー、通帳はみたかな?
あれは君たちのこの世界で生きていくための言わば生活費!

無くなることはないと思うけど、足りなくなったらそこにある電話でXXXXXXに連絡ちょーだいな!

君達はこの近くの苅谷咲(かりやざき)高校に通ってもらうことになってる。

入学は9月1日の日で今日から夏休みってことになってるのでよろしく!


んで真琴の両親はカメラマンで世界を飛び回ってて、白石の両親は有名俳優、仁王の両親は世界をまたにかけるマジシャンで3人の母親が同級生で忙しくなったため、子供だけで共同生活させちゃおってことになった設定だからよろしく!


んじゃ、帰るときがくるまで楽しめよ!


双子より






「ってなんやねんこれ!」


「カメラマンに俳優にマジシャン?無理がありすぎるじゃろ、」

『絶対通用しないってこんなの!』3人揃ってため息一つ。


「とにかく、帰れる方法が双子しか知らんからのぅ。」


「どうしようもあらへんし、3人で頑張っていこうや!」


『そうですね、それじゃとりあえず明日は買い物に行きましょうか。』




今日から私達の共同生活が幕を開けることとなりました!



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