03


それから詳しく2人に話を聞いてみると、仁王君は黒い髪の赤目男子(たぶん…泰?)に、白石君は白髪の青い目の男子(こちらは彩?)に捕まって気づいたらここにいたらしい、てか軽く犯罪だよね。


「マジあいつムカついたぜよ!目覚めたら真っ白な空間で、後ろからいきなり飛びついてきよるし!そんなに体小さくなかったはずじゃし、語尾は片言だし、あー思い出しただけで、イライラする」


「俺もいっしょで真っ白な空間におって、うろうろしてたら後ろから声かけられてびっくりしたわ!しかも3人でいきなり別世界で同居やで!?俺は部長やし、四天宝寺を引っ張っていかなあかんのや…それやのに、」


なんかしんみりした雰囲気になってしまった、そら本当は漫画の世界の人たちやから此処でこんなことをしてる場合じゃないよね。

さらにこの人等は常に全国大会常連校のメンバーだ。

テニスに懸けてる気持ちは誰よりも強いはず、


私はおいしい話だが、彼らにとっては…。


あ、確か彩と泰が呼べばいつでも来るって言ってたよね?


『彩、泰ちょっと来て欲しい、つか今すぐこい!』

いきなり私が呟いたので、双子の愚痴を漏らしていた2人は驚いたみたいだ。

本当ごめんね!



「「はいはーい、呼んだか真琴?」」


こりゃまた息ぴったりなタイミングで登場ですこと。


『…この状況一応説明してもらえる?』


「えー、めんどいしどーしよっかな?」


「彩に同じクー、つかあいつらのあの顔マジおもれぇ!」


ぽかんとしている仁王君と白石君を指差しながら笑う泰。

すると固まっていた2人はわなわなと震えながら叫んだ。


「「なんでこいつらいるんじゃ/や!」」


「なんでって言われても真琴に呼ばれただけだし!」

「お前等に呼ばれてもぜってー来ねぇけどナ!」 私の両腕にしがみつく彼らは仕草は可愛いが、軽く175は超えてるから全然かわいくないぞ

『ぐだくだはいいから早く説明してよ!』

イライラしてきた私は双子を引き離しながら怒鳴ると、肩をすぼめてゆるゆると話し始めた。

「だから此処はちょっと違うパラレルワールドで、3人で同居してもらうという計画です。」

「あんたらの元居た世界はちょっと、つかあんたらが帰るまでは記憶を少し弄くらせてもらって3人が居なくても話は進むようになってル。」


「はぁ?それどういうことなん?」


「意味がわからん話じゃ!」


食いつく2人を呆れた顔で見てゆっくりと口を開いた。



「つまり、白石が居なくても四天宝寺、テニス部は何の代わりもなく過ごす、もともと白石という人物は居なかったかのように。」

「仁王にとっても真琴にとっても一緒だヨ、でもちゃんと元に戻ったら記憶も戻すことになってるから安心しロ」


そう言って双子はフッと私達の前から消えた。





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