01


−目を開けるとそこは真っ白い何もない場所でした−







むくっと起きあがると辺りは白しか見えず、何もない空間が広がっていた。


んー?
確か私は高校から帰っていて…。



「「車に引かれた」」



そう、車が突っ込んで来てそのままはね飛ばされたんだ。


って、あれ?
さっきまで私しかいなかったはずだから声がするはずは…


バッと後ろを振り向くとそこにはそっくりな顔立ちの双子が立っていた。


年は18歳くらいだろうか、でも決定的に違うのは髪の毛の色が違うこと。


2人はケタケタと笑いながらこちらを見ていた。


『え、何故人の顔見て笑うんだ!そしてここは何処、、あなた達はダレデスカ?』


いけね、混乱しすぎてカタカナになっちゃった!


すると2人とも笑うのをやめてこちらに近づいてきた。


「ほら、みてみろ彩(サイ)、俺の言ったとおり面白いやつだろウ?」


「そうだな泰(タイ)、良い玩具が見つかった!」



私は思わず後ずさりする。


すると後ろから逃げられないように肩を掴まれた。


「ほらほらそんなに怯えんなよ、俺は彩って言うんだ、この白い頭が目印さ!」


なにこいつ、さっきまで私の前に居たはずなのに!!


すると今度は逆の肩を掴まれた。


「んで髪が黒い俺が泰、よろしくな木更津真琴サン?」


なんで初対面なのに名前を知ってるんだよ!?


「「それはこの世界を管理しているからさ!」」


私の心を見透かしたように言う双子。


しかも世界を管理している?
意味の分からないことを言う双子だと思っていると2人にその場に座れとでも言うように肩を下に押された。


取りあえずここからでるには双子の話を聞かないと駄目だよねと座った。


「さてさて、真琴あんたはは俺らに選ばれたんだよ」


「まぁそんなに良いことも無いけどナ!」


「「簡単に言えば俺らの暇つぶしかな!」」


はぁ?と意味が分からず首を傾げる。


「今からあんたには違う世界の住人と生活してもらう。」


「ちなみにあんたが今居た世界ではあんたは交通事故にあい、意識不明でいつ起きるかわからないってことにしといタ。」


だからさっき車に…って、


『お前らなんてことしてくれたんだよ!それ植物状態じゃないかああ!!』


死んでるに近い状態だよそれ!?


『それにテニプリまだ続いてるんだよ!こんなとこで死んでたまるかー!!』


そういうと、2人はニターっとまるで悪戯が成功した時みたいな顔をした。


「それがさ真琴さん…めんどくさいから呼び捨てでい?」


「…彩言うの遅い、つかどうでもいいシ、とにかくお前にとっちゃ、飛び跳ねるほど嬉しいと思うことなんだけどナ!」


そういうと、2人はニシシと顔を合わせて笑う。


『てかあれだね、世界を管理しているとか言う話には解説はつかないんだね…。名前は好きに呼んで良いよ。で、私が喜ぶってなに?』


「だって世界を管理している話をしたらややこしくなるっしょ?それと、これから真琴は、真琴が元に居た世界じゃなく、でも似たような世界、パラレルワールドで生活してもらうぞ。」


「お前のよーく知ってる奴らと暮らしてもらうゾ。」


くるくると回りながら話を続ける。


「「ちゃんと元の世界には、い・ず・れ帰してやるからそれまで楽しめ!アハハハハ!」」


笑いながら軽快にステップを踏む彩と泰。


みてるだけで腹の立つ双子だなー。


「また何かあったら何時でも呼べよ真琴!」


「そうそう、真琴は俺らの大切な玩具だしネ!」


「「俺は何処でも現れてやるから!」」



タン!っと足音を2人がならすと知らぬまに扉が現れていた。

「「さぁ、どうぞこちらへ真琴姫?」」


扉の両サイドに立ち、双子はお辞儀をしながら手を差し出す。

『姫とか気持ち悪いって…。』

そう呟くとそれもそうだと双子はクスクス笑う。


一応差し出された手を取り、扉の中へと進む。


すると視界は白で覆い尽くされ、そこでふっと意識が途絶えた。


微かに双子の笑い声が聞こえた気がした。




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