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子兎とリゾート


「やったわ!!」

『??』

息を切らしながらリビングまで走って来た奈々を見て椎菜は首をかしげた

「お茶のペットボトルの抽選プレゼント一等当たったの!!
今ポストに」

『マジ!?何当たったの』

「船にのって島に行く旅!!」

『えっ!凄いじゃん』



この時やたら二人で行くように勧めてきた己の家庭教師と居候を疑っていればよかったと後悔することになるのだが………




























「さっそくご飯食べに行きましょ」

『ご飯!!早く行こうお母さん』


あれから私とお母さんは南の島に行く船に乗った。
よく考えると行き先って何処なんだろう………


「わ―――凄い!」


………うん、お母さんこんなに喜んでるし何処でもいいか
それにしてもあの赤ん坊がいないだけでこんなにリラックスできるなんて
私えらい!頑張った。労わないとやってらんない今日この頃。


どうしてだろう、あの机の上にうちのランボが食い倒れている気がするんだけど。
あはは、疲れてるのかな……



『って、なんであんたらが此処にいるんだ!!!』


マジでいたよ。
お留守番の意味分かってるの?この人たち。


「アホ牛ったら椎菜とママンがいないって言ったら泣き出してさ
もう帰ってこないって言ったらこの子まで泣きだしてもうさんざんよ」


『あちゃーこれってみんな来てる感じ?』


ランボとイーピンを抱き上げ周りを見回すと、案の定コスプレしたリボーンがいた
厄介事を運んでくる原因である。


「ルネッサンス」


『服着ろ!!そして何処から入ってきたの……』


「正面からだぞ、正々堂々ガードマンを倒してな」


あはは、今日は空がきれいだなー……

現実逃避をしている間に沢田家の居候達はテーブルの下に隠れていた。
首をかしげていると、ガードマンらしき男たちが不審な子供を探しているとかでレストランを通って行った。
そして、通り過ぎたのを見計らい、テーブルクロスをめくると中からみんなはい出て来た。


「やべえな見つかったらシナとママンもろとも途中の島で下ろされちまう」

とんでもねぇよ。

『島に着くまで隠れてるの?』

「何言ってんだ?俺たちはヒットマンだ









ガードマンを消す



『それ違うーー!!!』


走り出した4人の中でランボとイーピンをつかむことに成功したが、あいにく腕は二本。
リボーンとビアンキには逃げられてしまった。


『ちっ、逃がしたか……』

「あら?鬼ごっこかしら。あんまり周りの人の迷惑にならないようにするのよ?」

『了解。じゃあ私追いかけてくるから、この子たち部屋までお願い』

ランボとイーピンを奈々に預けると、椎菜もリボーン達の走って行った方向に走って行った。





































あたりを見回しながら船の中を周っていると不意に壁にかかっている絵に違和感を感じそこで立ち止った。
ざっと絵を見ただけでは女性の目の部分が怪しい気もするがどうだろう?
木の方にちらりと視線を向けると、くりくりとした黒い目とばっちり視線があった。


「よく見破ったな」

メキメキバリバリバリ……


『そこ?』


「偉いぞ。洞察力はマフィアのボスに必要な資質だからな」


『あーはいはい、それよかもうガードマン殺っちゃった?』

「まだだぞ」

『「まだ」じゃない!絶対それだけは駄目だから』

「良いぞ。オレを見破ったからな、ビアンキはあっちだぞ」

『ありがとっ』


リボーンに指差された方向へ走っていくとビアンキっぽい後ろ姿の女の人を呼びとめてみたが、後ろ姿が似ていただけで顔は全くの別人と言うお約束な展開。



「あっ、沢田ちゃ〜ん!オレの彼女に用?」

『予想外!!なんでここにいるの?』

「それはこっちの台詞だよ!沢田ちゃんもマフィアランドに行くんだね!!舞い上がっちゃうよ!オレ、舞い上がっちゃうよ!」

『は?マフィアランド?』


お茶の抽選が当たったからここに来たわけであって、そんな不穏な名前の南の島なんかに行く予定はない。



「誰?会社の上司〜?はたまた部下?はたまた探偵?」

「違う違う!!沢田ちゃんはマフィアのボス同士超マブダチ!あ!新しい彼女のレンコね!」


また個性的な人ですネ、あはははは。


「なんだとおぅおお!!ボンゴレもマフィアランドにぃぃぃッ!!?」

『あ、パンテーラちゃんにルンガくん久しぶりー!』


二人もいたんだー
後ろにいるおっさんが無視するなっていっているけど知らない私は関係ない。


『あのさー、さっきからマフィアランドって…、この船は南の島に向かってるんだよ』

「南の島マフィアランドにな」

『一々脱ぐな馬鹿!!てかマフィア関係無いでしょ?当たったのはお茶の景品なんだから』

「アレはたまにはママンを休ませてやろーと思ってオレがポストに入れた偽のチケットだぞ」

『はぁ!?』

そんなこともわからなかったのかお前、とでも言いたいような視線でリボーンに見られ内心イラッときた。
しかもリボーン達は船の手続きを済ませてちゃんと乗って来ていていて最初から全部仕組まれていたことに気がついたときには本当キレそうになったが


マフィアランドにつく頃にはすっかり機嫌がよくなった椎菜だった
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