[]

子兎とマフィアの同級生


一年もたつと肩の下あたりにあった髪は腰の辺りまで伸びていて、
時がたつのは早いもんだなー。なんて婆臭いことを思ってしまった。
まあ、ただの現実逃避だが。
クラス表の前で自分の名前を探すが、A,B,C組の何処にもない。
もう一回探してもない。


『嘘でしょ……』


留年?いやいや、義務教育だったよね?
もう一度A組の表から見て行こうと思いじっくりと探していると、無駄にデコレーションされている「内藤ロンシャン」の文字を発見
デコレーションをベリッとはがすと案の定自分の名前が書かれていて椎菜はホッとした。



『みんな同じクラスなんだ……それにしても内藤ロンシャンって誰よ』


「ロンシャン君!!無事2年へ進級おめでとう!」

「まーねまーね! ピースピース!!」



………後ろで胴上げされている人間がそうなんだね
胴上げされている内藤を無視して教室に向かおうとすると


「はいは〜い沢田ちゃん!同じクラスになったのも何かの縁だね。
お互いガンバローよ!」

『わ、私…?』

「そーだよ。ボンゴレ10代目」


スッと目を細めいつでも倒すことができるように体制を整える。
何者?敵?


「オレマフィア、トマゾファミリー8代目候補内藤ロンシャン
 よろしくねー」


そんなこと軽くカミングアウトしていいの!?
よくないよね。え、私がおかしいの?
そんな私にお構いなしに仲間の紹介を始めた、みんな頭がおかしいらしい
あ、パンテーラちゃん可愛い…



「じゃあ次沢田ちゃんのファミリー紹介してよ!」

『いや、私にファミリーとかいないって!』

「おはようございます10代目!」


そんな時自称右腕の獄寺がひょっこりと現れた


「2年も同じクラスっすね!野球バカも同じクラスなのが残念すけど」

「『おいコラ!』」

なんということを言うんだ
椎菜に突っ込まれたことにショックを受ける獄寺だが
妙になれなれしい内藤に警戒心むき出しにする
内藤が自己紹介してからはさらに敵視していたみたいだったが。
なんでもトマゾファミリーは、マフィア創世期時代にボンゴレと対立し、お互いの2代目を殺し合った因縁の仲らしい。
私には関係ないんだけどな。


「仲良くしよーよ同じマフィアじゃーん!」

『私はマフィアなんて大っ嫌い
だから、マフィア関係なくただの内藤ロンシャンと仲良くするヨ』


なかなか面白いキャラの友人が出来たもんだ。
でも“前”に居た友人たちもキャラ濃かったもんな……
みんな元気かな?


「アハハハよくわかんねーけど面白ぇクラスになりそーじゃん」


もっといろいろあったのだが管理人が早く進めたいということらしいので、省略する
by椎菜












『ふわぁ…、授業ずっと半日でいいのに』


今日は、授業が半日で終わるから家に帰ってゆっくりしようと思い
獄寺と山本に断りを入れて先に帰ろうとしたが




「沢田ちゃ―――ん!」




振り返ってみると、手を振りながら内藤がこちらに突っ込んできた。
それをヒョイと避けて壁に衝突している内藤に用件を聞くと
新学期にマフィアのボス同士新しいことを始めようと言うことらしい。
正直に言おう、やりたくない。



「何始めたって良いんだって!このウキウキ春気分に便乗出来ればさあ。因みにわたくし去年の春にドエロ本読み始めました〜〜!!」

『とんでもないな、オイ!』

まず女の前でドエロ本読んでるとか言っちゃだめでしょ。とか
去年の春に始めている時点で新しいことじゃないだろ。とか
そもそも新しい事しなくていいだろ。とか言いたいことはいっぱいあったのだが、スフィンクスのコスプレをしているリボーンが内藤に賛同したことで全部吹っ飛んだ。



「オレも良いと思うぞ、何か始めんの」

『なんでここに居る?てかなんでスフィンクスなんだよ!!?』

「レッツビギン!」

『あれ?またスルー!?私の話聞いてた?』

「オレも新学期にピラミッドパワーを始めようと思ってな」

『それ始めることじゃないから!』

「沢田ちゃん誰よ!!このカワイイベイビーは!!」

『んー?私の隠し子だよ』

「嘘つくな!オレはシナの家庭教師のリボーンだ」


昨日もあってるはずなんだけど……
なんでリボーンの変装を見破れないの?
めっちゃ分かりやすくね!?
興奮しているロンシャンを見てツッこむ気も失せた


「侮ってはいけません!ロンシャン君!!彼こそボンゴレ1の殺し屋ですぞ!」

出たー!怪しい3人組!!!



「沢田ちゃん!あのチビに話し掛けても無駄だかんね!シカトしやがるぜきっと――。あの馬鹿富士の樹海に一年に一度だけ咲く花を渡した人にしか心開かないから」


ゲームのキャラかよ!!



「それはそーと、新学期に新しい事を始めるのは私も賛成です。ここは部活なんてどーですか!ロンシャン君」

「おー!部活!ど真ん中!いいじゃんいいじゃん!」

「うむ!! いいではないか!!」

『お兄さん…』

話を聞きつけてきたのか了平が登場した。
相変わらず熱い人である。


「シナもこれを期にボクシング部にに入ってはどうだ?」

「いいじゃんボクシング!やろーよ!やりましょーよ!沢田ちゃん!!」

「ご安心をロンシャン君。私が願いを叶えてみせます」


そう言うとマングスタは銃を取り出し了平を打ちぬいた。
あれ、この玉もしかして……



「おいマングスタ!!まさか…」

「もうお先真っ暗コゲ…、過去も真っ暗コゲ…」

『嘆き弾…!?』

「分かっている。ボクシングはまだまだマイナーなスポーツだ…。京子の奴など未だにパンツ一丁でなべつかみを手に付けて戦っていると思っている…」


京子!?お兄ちゃん嘆いてるけど?天然も大概にしてあげて!!
ボクシングっていうれっきとしたスポーツだからね!!?
今ここに居ない親友に必死の訴え。でも届かない。


「そーだ!!シナもでこぱっち娘も首を縦に振らぬ!どーせ才能のある奴はメジャースポーツがいいのだろう!!」

『いや、だから部活には入らないっていってるじゃないですか!』

「沢田ちゃん!!オレ堪んなくかわいそーだよ!!部に入ってあげよーよ」

『思いっきり嘆き弾に引っかかってるじゃん!もう帰る!じゃーねー』


強引に話を断ち切ると走ってその場を立ち去った。
逃げるが勝ちと言うことだ。

















「沢田ちゃーん!オレも止めたよボクシングは。他探そ他」

『や、だから私は何もやらないって!』


ちょっと離れたところに逃げただけだったからすぐに内藤に見つかってしまった。
全力で家に帰ればよかった。なんでこんな時に居ないんだ!隼人


「椎菜ちゃーん」


後ろからは内藤前からは変態藪医者のシャマル
まさかグルだったなんて…!(※勝手な思い込みです)
目の前から両腕を広げ寄ってきたシャマルに答えるかのように片腕を上げはしりよっていく椎菜
抱きつくかのように思われたが上げていた方の腕に力を入れ勢いをつけてシャマルに突っ込む。
所謂ラリアットである


『あーごめんねーワザとじゃないよ(棒読み)』

「あれ、目から汗が垂れてきた……」


内藤にも追いつかれたのであきらめていまだしゃがみこむシャマルに向き直る


『何の用?』

「リボーンに聞いたぜ、何か新しい事始めるんだって?保健室でバイトしない?俺は椎菜ちゃんとゆーっくり女の子を見てーからさ、そっちのボーズは男を診てくれ。」

『黙れ変態藪医者』

「なーに、男なんて骨折ってよーが熱出てよーが唾つけて帰しゃいいから」

内藤がシャマルに自己紹介をしているうちに帰ろうとすると、内藤に見つかってしまった。


「あれ! どこいくの沢田ちゃん?バイトやんないの!?」

『やらないよ!』


再び歩き出そうとすると銃声が聞こえ、振り向くとシャマルが撃たれて倒れていた。
正直、ざまあみろと思っていたがシャマルはファスナーを開けて復活した。ちっ



「もうお先まっ黒コゲ…過去もまっ黒コゲ…」

『また、嘆き弾か……』

「ちくしょー。王妃に手を出すんじゃ無かったぜ。そーすれば2062股を掛けた位で国際指名手配なんて事には」

『…………逃げて日本まで来たんだ』

「誰だ!オレを詐欺師なんて言う奴は!!オレはいつだって純愛だ!!皆平等に愛してんだ!」

『平等じゃないから詐欺師っていわれるんだろうが、死ね女の敵』

「く――っ、言葉が胸に刺さってくるよ…。此処でバイトしよーよ沢田ちゃん」

『あんたも女とっかえひっかえやってただろうが!!』

同情なんてできないと感じ、また歩き始めた。















よし、今度こそ帰れる!!と思った矢先目の前には雲雀が現れた。


「やあ」

咬み殺した奴を引きずりながら挨拶してきた雲雀
3年生ですよね?と質問すると僕はいつでも自分の好きな学年だよ、との返事が
なんじゃそりゃ……


「沢田ちゃん、オレもバイト断っちった!折角なら一緒が良いもんね!」

『そう……』


何回も言うようだが私はやるだなんて一言も言っていない。


「聞いたよ。君達風紀委員に入りたいんだろ?書類がたまってるんだ早くしてくれる」

『誰がそんなことを―――?』

「彼に聞いたよ」


雲雀の指差す先には光るピラミッドの中に居るリボーンがこちらを向いてピースした。
あいつあとで絶対殴る!


「おっ、良いじゃん良いじゃん!やろーよ沢田ちゃん!いやーどもども!トマゾファミリー8代目内藤ロンシャンでーす!」

『肩に手を置くな馬鹿が』

内藤の手を払いのけているとマングスタ内藤の願いを叶える為、雲雀に嘆き弾を撃った
がトンファーで防がれた


「何の真似だい?殺し合いするなら気軽に言ってくれれば良いのに」

『あなたじゃ私の相手として役不足ですよ、先輩』

弱い奴が粋がるな、暗にそう言うと雲雀がこちらを睨みつけているが、反論はしない。
事実、目の前の男は私に傷一つ付けたことが無い。もとより人間には無理な話だが。

また銃声が聞こえ、振り向くと膝を抱えたロンシャンの姿が、


「もうお先真っ暗コゲ、過去も真っ暗コゲ」

まさか嘆いて許して貰おうってこと?いや流石に先輩相手にそれは無理があるダロ


「テルミ!!何故着信拒否なんだ!!!」

お前、フられてたのかよ!!!


「うん、良い鳴き声だ。凄く咬み殺したくなってきたよ」

ホラ見て見?先輩怒ってんじゃん。火に油を注いじゃったんじゃない?
しかも先輩機嫌悪いみたいだしネ(それは自分のせいだということに気が付いていない)

嘆き効果二倍を図り椎菜に銃口を向けるが、屋上から自分を狙っているマングスタに笑顔(と言う名の圧力)をかけてやると慌てて銃をしまっていた。


内藤が咬み殺されそうになっているところを助け、椎菜はようやく家への道のりを
歩き始めることができたのでした。






-20-
PREVNEXT
[]


「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -