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子兎と雪合戦


一面、白い雪が積もり改めて冬を感じさせるような冷たい風が頬を撫でる
思いついたが吉日、せっかく雪が積もったので遊ばなければ損!
椎菜は可愛い可愛い居候達を連れ日曜日の並中に遊びに来ていた



『寒っ、やっぱ庭の方が良かったか…』



と、言いつつも子供たちに混じりむしろ椎菜が一番楽しんでいる。
ランボ、イーピンと誰が一番大きな雪だるまを作れるかとか(途中ランボが雪だるまになっていた)
みんなで一緒にフウ太のランキングを見たりと子供に混じりはしゃぎまくっていた。



「椎菜さん!」

『!』


声が聞こえ振り返ると、そこには獄寺、山本、了平、ディーノの4人がいた


『あれ?みんな何やってんのー』

「おまえらをまってたんだぜ」

「今日はこいつらに呼ばれたんだ」


いつもの如くリボーンの企みだと思っていた椎菜は意外そうにディーノを見ると、
ディーノはヘラッと笑った


「オレ達もたまにはチビ達と遊んでやろーと思ってな」

「考えてみたら10代目はチビ達の世話ばかりですからね」

「こんな日くらい手伝うぜ」

「水くさいぞ、シナ!!」

『み、みんな…』


みんなの言葉にジーンと感動する椎菜



「やるなら俄然雪合戦スよね!」

「お!!燃えそーだなそれ!」

「かってー雪玉つくっか」

「合戦!!なんという良い響き!」

しかし、あまりにも子供っぽいディーノ達相手にあまり感動は長く続かなかった…


「んじゃチーム分けしねーとな」

「日本じゃ何で分けてんだ?」

『くじ引きとか、じゃんけんとか……?』

「オレが決めてきてやったぞ」


と、雪合戦のチームを決めたのは戦国武将の恰好をしたリボーンだった。


「バランスとか色々考えてうんうん唸って作ったんだ。あんまりねてねーんだ、見ろ、クマだ」

『お前昨日ぐっすり寝てたじゃん!何その情に訴えかける作戦は』

しかし手間が省けると言うことで、リボーンの考えたチーム分けで雪合戦をすることになった。


「東軍はシナ、山本、イーピン、フゥ太だ。白マフラーだぞ。
対する西軍はディーノ、獄寺、了平、ランボだ。赤マフラーな」

「待って下さいリボーンさん!!何でオレが10代目と違うチーム何ですか!?」

「謎だ」

「迷宮入りスか〜?!」


ショックで項垂れている獄寺を放置して、リボーンは雪合戦のルールを説明し始めた。



「ルールはこの日のための特別ルール、レオン争奪戦だ!!!両チームは30分間この光るレオンボールを奪いあうんだ。そして30分後にレオンを持っているチームが勝ちだぞ」

『レオン争奪戦…』

「雪玉には幾ら当たっても良いが気絶したらリタイアだからな。んじゃ、雪玉と塹壕を作って30分後に開始だぞ」

『フフッ、面白そうだね……まあ絶対に負けないけどね』

そして、リボーンの言葉を聞きみんないっせいに塹壕を作り始めた。

























いっぱいの雪玉を用意し、塹壕に隠れ準備は万全。開始の合図が出された。
しかし、両者一歩も動かずにしばらく硬直状態が続く中、一番初めに動いたのは了平だった
しかも雪玉も持たずにファイティングポーズで向かって来た。

「んじゃこっちは定石どうりに」

『よっしゃー!!!!!行くんだ武!!』

「いくぜ、そら!」


山本は野球のフォームで雪玉を投げた。
しかし、そんな凄まじい勢いの玉を了平は



「そんななまくら玉、この"極限ストレート"の前ではマシュマロ同然!!」

自分の拳で砕きその後も続く山本の剛速球を砕いて行った。
負けず嫌いの山本もだんだんとペースを上げていきそれに対応していく良平もまた凄いものだ。
あの二人のランキングがほしい!そう言ったフウ太に、いいよ!どんどんやりなさい!
と言ってしまいそうな自分を抑え、今はやめておくように言うことに全身全霊をかけた私もすごいと思う!閑話休題、
そんな中、押され気味になってきた東軍の陣地からイーピンが光る玉の方へ踊り出た。
対する西軍は、ディーノが玉を投げようとしたが、とんでもない方向に飛んで行っている。部下がいないと運動音痴と言うのはここまでなのかと逆に感心してしまう。
それを見かねた獄寺が玉を投げたが空中でイーピンに手をつかわず叩き落とされた。


「!空中で叩き落とすだと?」


『ナイス!!イーピン』

「やっぱりすごいやイーピン!!」

『これで互か………!!?』

「!?違うよシナ姉」

『イーピンのギョウザエキスの臭いが風下のこっちに流れてきたいるみたいね…
フウ太!武!とりあえずマフラーを鼻の上まで上げておきな!その場しのぎだけど』


キツイ臭いに顔を歪めるが、イーピンはこちらの様子に気が付いていない。
突然あわただしくなった東軍の様子に異変を感じた獄寺もギョウザエキスが風下に流れていることに気がついた。


「弾幕が薄いわ!!!光る玉はもらったぞ!!!」


「ピンチだよシナ姉!」

『しゃーないな……私が行くよ』

椎菜が意を決して光る玉の元に走り出そうとした時、突然爆発が起こり了平が吹っ飛んだ。
無念と叫んで気絶してい了平その横にはいまだダイナマイトを数本持った獄寺が立っている



「椎菜さんオレです
 スパイ活動が終了したのでそちらに戻ります!」


やっと同じチームになれました!と目をキラキラさせて言った獄寺が子犬に見えた。
むしろ尻尾が付いていない方が幻覚かもしれない……
ディーノの方も雪の中から部下が飛び出してきて、雪合戦はもうめちゃくちゃなものになっている。



『こんなんでいいのかよ審判!!』

「うん、ぴったり予想どーりだ」

『やっぱお前なんか企んでたんだな!てか、遊んでるだろう完全に』

リボーンの考えを見抜けなかったことに項垂れていると、獄寺のダイナマイトが、ディーノの鞭で叩きおとされているのが視界に入る。
部下がいると圧倒的に強い、だから少々厄介な相手でもある。
などと冷静な判断をしていると何処からか声が聞こえ、椎菜はひっそりとほほ笑んだ。


「どーした?レオンはいただくぞ」

「そうはいかないわ」

余裕のディーノ含めたキャバッローネチームだったが、突然響き渡った第三者の声に注目する。



「よくも私抜きで遊んでくれたわね、いくわよ下僕達!」
ゴーグル着用をした


ビアンキが合図を送ると寝ていたイーピンとランボが起き上がり、ビアンキの元までふらふらと歩いて行く。
いつの間にかビアンキの隣に番傘を持った椎菜が立ち、
4人で共に拳法のようなポーズを取って叫んだ


「勝つのは私達毒牛中華兎!!!」


「第三勢力だと!!!」


『勝負はまだまだこれからデショ?』


驚くディーノ達をよそに、椎菜はいたずら気にニヤリと笑った




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