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子兎と星の王子


『ただいま〜』

階段を一気に駆け上がり、自分の布団へとダーイブ☆
ちょっと視線を感じ目を開けると……

『んぎゃあぁあぁ!!!!』

夏のカブトムシを彷彿させるかのように顔にごっそりと幼虫をはりつけたリボーンがいました。












「もっとも幼虫じゃ情報収集はできねーけどな」

『いますぐ捨ててこい。そしてそのまま帰ってくるな』

「それより、客が来てるぞ」

思いっきりスルーしやがったコイツ

「おかえり、シナ姉」

そしてリボーンが指差した先には、
ランボとイーピンよりは大きくて椎菜より小さいくらいの男の子が座っていた。
やだ、この子可愛い…
あ、別にショタなわけじゃないからね?そんな性癖私にはないヨ!


『えーっと…君は何か用があってきたのかな?』

出来るだけ優しく尋ねると、返された答えは結構切実なものだった。


「おねがいですボンゴレ10代目シナ姉!!僕をかくまってください!!」

『匿う…?いいけど一体君は何から逃げているの』

「マフィアだぞ」

わー大変。何も考えずに匿うって言っちゃったら、敵がマフィアだったんだぜ☆
ごめんね、お姉さんめんどくさくなっちゃった(笑)どうしよう本気で笑えねえ。
読心術で心を読んだリボーンにあきれたような視線を向けられるが無視。

「こいつはランキングをつくらせたら右に出るものがいないというランキングフゥ太っていう情報屋だ」

『こんな小さい子が……でそれが、なんで追いかけられていることと関係あるの』

「あいつら僕のランキングブックを狙ってるんだ!」

「フウ太が作るランキングの的中率は100%だからな
それだけにマフィアの戦略データの価値が高く、最も多くのランキングを収録しているフウ太のランキングブックを手に入れれば世界をとれるとも言われてるんだ」

燃やせばいいと思う。何て言ったら確実にこの子泣くんじゃないか?と少し非情なことを考えてしまった
窓の外を見ると、怪しい男たちが三人家の周りをうろついているのが見えた

『じゃあ、私(あいつらを処理しに)行ってくるよ』

「!まって、やつらトッドファミリーはマフィアの中でも狂暴性は上位だよ?
シナ姉の敵う相手じゃないかもしれない…」

きゅっと椎菜の袖をつかみ行くことを阻止しようとしているフウ太。
椎菜はその手をやんわりと外すとフウ太と同じ目線になるようしゃがみ、両手で頬を優しく包んでいる。

『心配してくれてありがとう。私は大丈夫、だからフウ太この窓からしっかり見ておくといい――君が頼った私の姿を』

慈愛に満ちた表情。今の椎菜を現すぴったりの表情だ。
リボーンは初めてみる椎菜の表情に赤くなる頬を隠すため、クイっとボルサリーノの鍔を下げた
椎菜はスッと立ち上がると一度窓の下の様子を確認してから、窓の淵に足をかけながらこう言った。

『5分以内にかたづけて帰ってくるよ』















「おまえがフウ太を匿っているのか!?」

『だったらどうするのカナ?』

「おとなしくこちらに引き渡して貰おう」

「痛い目に会いたくなかったらな」

匿っているのが小娘だと知ると、横暴な態度に出た3人
家の中に居た時とは違い、今の椎菜の表情はとても冷たい。

『痛い目に会うのは











―――――――――――そっちでしょ?』

ドカっバキっ


『全く、あんな小さな子供を大の大人三人で追いかけまわすなんて、大人げないね。どういう神経してるんだろうね全く。だいたい母親に習わなかった?「人の嫌がることはしちゃいけません」……って気絶して誰も聞いてないじゃん!かーえろ』


そして、椎菜は宣言どうり5分以内に三人をかたづけて帰ってきた。

























「すごいよシナ姉!」

今フウ太は椎菜の膝の上に座り頭を撫でられながら椎菜にギュウギュウと抱きついている。

「じつはシナ姉のランキング、ほとんどが測定不可能だったんだ……
だけど僕のランキングを覆すなんて!僕、感動しちゃった!」

『?じゃあ何のランキングが一位だったの』

「えーっと…あった、戦闘好きな人ランキングとギャンブルに強い人ランキングは8万2千549人中の一位……宇宙最強生物ランキングのところに、ライオンとか鮫とかを上回って、沢田椎菜ってのってるよ!後は…」

『いや、もういいよ……』

とんでもないランキングに名を連ねているということに顔が引きつるのを感じた。
喜べばいいの?泣けばいいの?心当たりがありすぎて……

『フウ太…帰るところないんだったら家に住めばいいヨ』

「ほ、本当?いいの」

『お母さんは私が説得する。今でも居候がいっぱいいるんだ
一人増えたってどうってことないよ』





*+*+*+*+*+*+*+*+*

夜のお話





リボーンのいるところに傘を突き刺す
あと2秒反応が遅れていれば串刺しだっただろう
しかし椎菜は攻撃の手を休めない

「お前に武器なんて必要あるのか?」

『ない。でも、素手だとたまに力加減を間違えて潰しちゃうんだ』

「それに、お前から居候を受け入れるなんて珍しいじゃねえか」

『そう?私はとっても優しいからネ
理由があるならそれは―――やっぱなんでもない…』

―――――彼の笑った顔が神楽と重なって見えたんだ

心の中で呟くと空を見上げ懐かしそうに笑った。


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