[]

子兎と体育祭(後編)


そして当日

ここ並盛中学体育祭では
白熱した戦いが繰り広げられていた







「キャー椎菜ちゃん頑張ってー」

「いけー沢田ー!!!!」

いろいろな人からの応援を背に受け椎菜は余裕の一位を取った。

まあ私にかかればどうってことないけどねー

次の競技の確認をしようとするうちに、何故か獄寺と了平の二人が喧嘩になっていた。

ゴキャッ!!

突然殴り合った二人。
やめてー!!周りの視線が痛いんだよ!!

「効かねーなー」

「蚊が止まったかー??」

いやっヨレヨレじゃん!!
血出てるし、大丈夫かこの二人…………

「ヒョホホホ!」

笑い声に振り向くと、椎菜の後ろに、C組の高田が立っていた――――かなりウザイぞ

「仲間われか〜い??ヒョホホ!
棒倒しはチームワークがモノをいうんだよ〜
こりゃA組恐るるにたらないね〜〜〜!」


こんの豚!!調子にのってると殺しちゃうぞ??


「余計なお世話だ!!」

「なんだテメーは?」

「「すっこんでろ!!」」

獄寺の蹴りと了平のパンチが決まり、本当に豚のような声を上げ高田は倒された
弱っ!!

「おいあそこ!!」

「ああ!」

一連の動作を目撃したC組がざわつき始めた。


『やばい!!』

「「?」」

『こいつそういえばC組の総大将の高田だよ!』

「誰だろーが殴る!」

「よえー奴」

その言葉に、C組は怒り出した

「コラー!」

「俺たちの総大将に何て事しやがる!」

それから、B組の総大将もトイレで何者かに襲われたらしい
しかもA組の奴のせいなんだそうだ

「この人が目撃者だ」


目撃者として連れて来られた人間はリボーンだった
なぜ、コスプレした赤ん坊が歩いててみんな違和感を感じないんだろうか。
あー何か嫌な予感……

「B組総大将を襲った奴はA組総大将の沢田シナの命令で襲ったって言ってたぞ」

『ふざけんなーー!!!!!!
ダレがそんなことするか!』

いやいや全然犯人リボーンでしょ!!


A組にブーイングをはじめたB,C組の面々

「卑怯だぞーA組!!」

「うちの総大将をやったのも沢田ってやつの命令なんだな!」

「卑怯者!!」

「A組総大将は退場しろー!!」

初めは我慢をして聞いていた椎菜もとうとうぶちギレてしまった

『あぁ!?誰が卑怯ものなのかしら??うふふふ証拠もないのにねぇ』

いまや椎菜はどす黒いオーラを放ちながら満面の笑み。怖いです目が笑ってません人殺せるんじゃないでしょうか……

口々に文句を言っていた人間も、とたんに口を閉じ蜘蛛の子を散らしたように自分たちのチームのところに逃げ帰って行った

その時

“――――皆さん静かにしてください
棒倒しの問題についてお昼休憩をはさみ審議します
各チームの3年生は前に集まってください


放送が鳴り、呼び出しに応じようとしていた了平を引きとめた。


『お兄さんちょっといいですか?』

「なんだー?」

『じつはですね、私に作戦がありまして………………というわけなんです。』

その作戦に了平は同意し、

「極限にまかせておけー!!」

と叫びながら行ってしまった。
残った椎菜はほくそ笑みながら、お昼を食べにみんなの元へ行ったのでした。

〜お昼休み〜


B,C組の男子生徒がちらちらとこちらを見てくる。
落ち着いてご飯も食べられないなー


「何なんですかあなたたち!さっきからじろじろ見て!」

『ハルありがと。こっち来てお昼一緒に食べよ?』

「シナちゃん有名人みたいね」

椎菜はランボを膝に乗せご飯を食べさせながらも重箱5個分ぐらいがっつり食べていた。

「ひーこえー」

「でも可愛いぜ」

「それよりあの外国人の姉さんゲキマブだぜ」

「たまんねー」


それを聞いていた椎菜は怒りのあまりお箸を片手で折ってしまった。
膝に居たランボをおろし、立ち上がった。

『お母さんちょっとそこの害虫駆除してくるねv食後の運動もするから戻るの遅くなるかも。』

「あら、頼もしいわねー」
恐るべし天然…
普通に虫がいると思っている。
もちろん椎菜が駆除するのは害虫と言う名のB,C組の男子達である

先ほどまで母親に向けていた笑顔はB,C組の男子生徒のほうをむくと真顔になっていた。






『じゃあ一緒に食後の運動でもしましょうか?』

逃げようとしていたやつらを一人残らず捕まえ、そいつらを引きずって椎菜はどこかへ行ってしまった。
帰ってきたのは10分後でそれからずっとお昼を食べ続けていた。

余談だが、椎菜に連れて行かれた奴らはこの日誰にも見られなかったという。


お待たせしました
棒倒しの審議の結果が出ました

各代表の話し合いにより今年の棒倒しは



A組対B,C合同チームとします!!


A組からは抗議の声が上がるが、B,C組は大喜び。
A組総大将を落とせ、と殺気立っている
そんななか、了平がとぼとぼと帰ってきた

「笹川さん多数決で押し切られたんすね」

「そんな卑怯な……!!」


「いいや





オレが提案して押し通してやったわ!!」


「「「「「なぜだー!!!!!」」」」」
みんなショックで固まっている。
当たり前だ、ダレがわざわざ自分達に不利な状況を作り出すのだ。

『なんでって決まってるじゃない。
私がお願いしたんだよ』

……ここにいた

『だって私もそろそろ本気出したいなーって思って、どうせなら難易度を上げて見よっかなって感じ。
それに………』


「「「「「???」」」」」


『私の悪口言ったことを死ぬまで悔いるように調きょ………ゴホッ体に叩き込んで殺ろうかな☆的な』

突っ込みどころ満載だが、ここはあえてスルーしておく

『とりあえず向うとは数が違いすぎる、だからわざわざ攻めに言ってはダメ。
初めの方は守備に入って。
相手に棒を登らせてもいい、絶対に私を落とすな。合図を送ったら一斉に潰すわよ!!』



椎菜の言葉にA組のメンバーは士気を上げる。





「「「「うぉおおおお!!」」」」






こうして棒倒しは始められることとなった。
それに何故か知らないけど、相手の総大将は雲雀先輩になっていた。


「やあ、椎菜。今日は僕が勝たせてもらうよ」

……この野郎。
私に負けたこと根に持ってるな。
いつの間に名前で呼んでんだよ。

『あら?先輩じゃないですかー今回も勝たせて貰いますよ』

ニヤリと笑いながら言ってやったら、若干青筋が浮かんでた。楽し〜


そして、開始の合図で一気にB,C組が押し寄せてくる。
しかしA組は臆することなく椎菜に言われた通り、ただ彼女を落とさないようにしていた。



しかし、B,C組の一人が椎菜にたどり着いてしまった。
だが、椎菜は女。あまり手荒なまねはできない――仮に出来たとしても、そのあとに並盛中の女子全員にボコボコにされること請け合いだ。


どうしようかと迷っているうちに、体を浮遊感が襲う
突然のことに驚いていると、襟首を掴まれていることに気がついた。

誰に?言わずもがな椎菜によって………

高く振り上げられたかと思うと、自分の体がすごい速さでB,C組のところへ吹っ飛ばされ何人かを巻き込んで倒されてしまった。


それを行った本人はというと


『私がいつまでも手加減をしてあげると思わないことね。
登ってきた奴等を引きずり降ろせて、さらに相手側の人数も減らせて一石二鳥ヨ』

といい、着々と数を減らしていた。

そろそろ攻撃に移そうと言うときに事件が起こった



椎菜が乗っていた棒がポッキリと折れてしまったのである
一同唖然。それ以上に椎菜のほうがびっくり。


お…て落ちてたまるかーー!!!コノヤロー!!!

椎菜は落ちながら体制を変え、敵を踏みつけながらぴょんぴょんと移動している。



「そっか…総大将は地面につきさえしなけりゃいいんだ」

「なるほど」

「そういうことなら」

「こっちだシナ!!」

山本に呼ばれ、獄寺、了平、山本によって作られた騎馬に飛び乗った。

『行くよ!!』

騎馬に乗って雲雀先輩のところに突っ込みはじめた。
これはもう棒倒しとは言わないよね……


「ありゃあ重戦車だ!!」

「あんなの止められない!!」

だろうね。兄さんと隼人、敵蹴散らしてるもん。とか言う私も、近くに来たやつ投げ飛ばしてるんだけどね。

「そうこなくっちゃ」

どんどんと近づいて来る椎菜達に雲雀はニヤリと笑った。

しかし………
「おい!芝生メットテメー今足ひっかけたろ!」

「ふざけるなタコ!人の足を蹴っておきながら!」

「んだとコノヤロー!」

獄寺と了平が喧嘩をし始めた。
おかげで騎馬はグラグラ、
あと少しで倒れるという所で椎菜は山本に断りを入れ、獄寺と了平を踏み台にして高く跳びあがった。

そして……

『うぉらあああああ』

雲雀の頭上からかかと落としをした。
もちろん雲雀は避ける。それこそが椎菜の考えた作戦だった。
雲雀は軽やかに着地したが、そこは地面。つまり棒倒しはA組の勝利で終わった













はずだが、


「この間の続きをしようか?」

『何回やっても私が勝ちますよ?雲雀先輩』






「てめーら皆殺しだ!!」

「暴れたりん奴はこい!!」



いたるところで乱闘が起こる大波乱勃発の体育祭に終わった。
-11-
PREVNEXT
[]


人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -