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| 臨也 国(中二ぽいの多いかも) 雲雀 自分でもよくわからんのが多いです。結構古い。
折原と私の関係は友達だ。 普通のそれとは少し違う。家に行ったり、休日一緒にいたり、泊まることもある。何気なくスキンシップをされる。体の関係はないから ではないけれど、誘われたら私は断らないだろうから、そうしたら関係の名前は変わってしまうのかもしれないし、ただスキンシップの延長線上なのかもしれない。 「君らの関係はよくわからないな」 「そうかな」 「そうだよ。君は臨也のことが好きなのかい?」 「好きじゃなかったら一緒にいないよ」 「そうじゃなくって」 「わかってるって、だから、好きじゃなかったらキスだってしないでしょ」 「でも友達なの?」 「そう」 「恋人になりたいとかは?」 「なりたくないかって言われたら違うけど、最初からそれは無理だって知ってるからね」 「臨也は君が好きだからスキンシップとやらをするんじゃないの?誰にでもするわけじゃないだろう」 「好きかって言われたら、そりゃあ好きでしょう。うぬぼれじゃなくて、臨也は私を含めて、みんなを愛してる。その中でも私にするのは、きっと一番近いからだよ。近くて、いろいろと都合がよかったんだと思う」 「…やっぱりわからない」 「どの辺が?」 「そう理解していて一緒にいるところが。辛くなるのが普通だと思うんだけど」 「普通について新羅に言われたらおしまいな気がする」 「僕は普通じゃない自覚をしているから別にいいんだ。一般から外れているだけで、私にとっては普通だから」 折原に弱い部分があると知ったのは、喋るようになってしばらくしてからだった。それまではまだ、普通の友達だった。
端からこの関係をあらわすなら、そうだな、〜だ。 でも彼女を見てるとそんな下品な言葉は違うように感じる。別に友達でも恋人でもないし、やってることやってるんだから、違いはないんだけどね。
彼女は普段とてもケロッとしている。普通恥ずかしがったりとかするものじゃないの?少しは。尻軽ってわけじゃないし。でもそんなところを気に入っている。 (そんなことしそうにない、寧ろ嫌悪しそうな人なのに。聡明で、〜。俺が言う意地悪に綺麗な切り返しをするし、〜には関心すらさせられるくらいだ。)
「さすがに鉢合わせはしたくないなあ」 「俺がそんなヘマすると思う?ただの信者の子さ」 口は勝手に動いてくれたけど、はっとした。そういえば、ほかの子って、どうしたんだったろう。相手なんていくらでもいたし、別に頓着していなかった。したくなったらしていた、それだけだった。だというのに。俺はいつから〜しか抱いていない?考えても思い出せるのは〜が〜。
「そういえばさ、聞いたことなかったけど、俺のこと嫌いではないの?」 本当に聞きたかったのはそれか?予防線なんてバカみたいなことを。それにもし嫌いなら、よほど変な性癖をもっていないかぎり〜 はあ、と息をついた彼女は何今更、といった。(確かに今更だ。変な性癖でももってない限り〜ってこっちでもいいかも) 「好きだよ」 そんな顔(もっと違う表現)で言われたら落ちるよ。
すき、すき、すきだよ やりながらそんなことをいう女はいくらだっていたけど こうやってないていたこなんて 生理的なものじゃなくて
ぽつりぽつり 雨の描写 ぽとりぽとり。 さっきの雨みたいだ でもこれは
きらい、だいきらい ポロポロ
罵詈雑言浴びせていくやつが多いけど、この子はそうじゃなかった。俺がどんなやつなのか、分かってるふりじゃ、顔だけじゃなくて、ちゃんとわかったうえで、わからないふりをしていたんだ。全部。 「ごめんなさい臨也さん、今まで有難うございました」 他の女の子と同じことを言ったら臨也さんは面倒くさいだけだから。だから私から終わらせてしまおう。
かすか 同じクラスだった。芸能人だったから好きな訳じゃない。
対面でするのは嫌いだ、と(しょっぱなから)
可愛い折原(っぽいと周りから) もふ付きパーカー 部屋着 外着は普通に可愛くてびっくり 「俺が言うのもなんだけどもふもふって浮かない?」夏 思ったけど、ほらまあ今っていろんな人いるし可愛いしいいかなって。 可愛い折原みたいなの見た〜から有名に。えっ俺も見たい〜。ああ今日見かけたかも。とか
もう告ったときなんかさーあの子たち周り見えてなくてね、しかも英語かよっていう、まあ言い出したのは名前なんだけど、平和島さんさあ、引くならまだしも自分も英語でとか
たとえば、この、フレンチトーストを食べるのだって、私で何人目なんだろう?腰が痛くなった女の子に優しくすることだって。 ぽたり 「どうしたの?」 「あ、いや、ごめん、」
秤に並べた時に、弟より重いものなんてのは一つだって無い。いつだって弟が一番だ。権力も地位もそんなもの、弟を護るための道具でしかない。それはあの懐いてくれている女の子だって同じで、切り捨てることができる。可愛がっていたって、弟に害を与えるのなら、私と弟の間を裂くのなら、すぐにでも排除できる。だけどそれは今じゃない。今そうする必要はない。楽しみにしていた買い物やお菓子作りを教えてあげる約束が弟からの連絡で駄目になっても、わかりました、仕方ないですよね、気にしないでください、楽しんできてくださいねと健気に言うあの子を、邪魔だとは思っていない。そうして私が出て行った後は必ずしょんぼりするのだと上司に聞いた。でも私が戻る頃には彼女の思い人のおかげですっかり元通りになっているから、ほっとする反面苛っとする。彼女の思い人、つまり、私の腐れ上司は、彼女の気持ちをわかっていて
やけに同年代のカップルにしらけると思っていたら そのこの知り合いから家庭事情を聞いた 何だよそれ…望み薄いじゃん… 大丈夫おれ打たれ強いからがんばる 成績はいいのに字は以外と汚いし、ロッカーの中がひどい。 ロッカーをあけて雪崩になったときに通りすがる臨也
好きなら好きで(それだけで)いいんじゃないと(新等かセルティが)言った。でも私は弱いから。それだけじゃ でも惨めで、言い返せなくて、ありがとうとだけ
運を使い果たさないようにしましょう(おみくじ) 「うへえ」 「うわあ災難」 クルマイが誘ってくれて臨也もいやいや(っぽく)ついてきてお参り か、らいじんぐみ 手をつなぐ …運使い果たした
甘えたのくせして頑張って
「まったくなっとらんよきみ!もっとちゃんと〜」 ちゃんとした人間って何だ。普通って何だ。 思いながらも普通に普通の
なみえに子供置いて行かれる 預かった子なんだけどせいじから夕食誘われる 「何なら依頼って形でもかまわないわ。いくらでも出すから」(本当は女の子からの可愛い依頼) 「はあ、なみえいつ帰って来るんだか」 「あ、ご、ごめんなさい…!」 「君は悪くないよ」 「ちがうの、わたしがたのんだの」 「何を?」
好きすぎて泣いてしまうくらいに好きだよ
妊娠するとゆるんで垂れ流しとかあるけど臨也ってそこまで愛してくれんのか…?と 無痛分娩がいいと思ってたけど多分臨也は観察とか生命の誕生で普通にがいいんだろうな
「どうしたら俺を好きになってくれる?」 教室で折原くんがわたしに聞いた。どうしてか彼はわたしの席に座っている。ああこれは夢だな、とすぐにわかった。こんなことが現実であるわけないもの。何て答えるんだろう。わからないまま口が勝手にいざや、と名前を呼んでいた。 「わたし、」 ちゃらららちゃらららちゃらちゃらり。
ごめん…帰るね とか険悪?だったときに生理が来てしまう 「あ…」 「?」 「ううん、何でもない」 「そう」 「………ごめんやっぱり痛み止めとかある…?」 「具合悪いの?」 「いや違…くないけどうんあったらお願いします」 「はあ…座って待ってて」 「いや、いい、気にしないで」 「気にしないでったってどこか痛いんでしょ」 ばれる 「…どうするつもりだったの」 「最寄りのコンビニで買おうかなあと…それまでに染みなきゃいいなあって」 「無理だろ」
臨也と結婚。臨也との赤ちゃん。これをしたいとかほしいとか思ったことがないと言えば嘘になる。それは仕事をしている臨也の横顔を見たときだったり、珍しく微笑まれたときだったり、意外と優しいセックスの最中だったりした。好きな人であり恋人なのだから、そばにいてふとそういったことを考えてしまうのは自然なことだった。だけど願っているかと聞かれたら、首を縦には触れない。それとこれとは別問題だ。臨也は人間が好きだ。愛している。ひとりを除いて、平等に愛している。そんな中で他よりも私のことを好きになってくれた、それだけで奇跡のようなものなのだ。 だから私は、友人に差し出された雑誌を受け取ることができずに、可愛い絵柄が描かれている表紙に視線を止められたまま固まってしまった。 将来設計 ママさんになった友達にたまごくらぶをもらう。旦那とお母さんが買ってきてだぶった。あんたも考えなさいよ〜とかなんとか言われて。 でも相手臨也だよ…?そんなの、きっと無理だ。いつ飽きられるかもわからないのに。今こうしていられるだけで奇跡なのに。
したら飽きられてしまうと怖がって気丈に振る舞って突き放してる。でも度を超えたセクハラについついひとりでに。
「臨也?…寝てる?」 いざやー、ともう一度聞こえる。目が覚めたけどめんどくさいから寝たふり 手のひらをなでられたかと思うとぎゅう、と指を握られる。 いつもは触れることなんかできない。涙が出てしまう。
将来何になりたいですか。保育園で書かされた夢を未だに願っている人は一体どれくらいいるだろう。
変な女と出会って好きになって死んじゃう夢を見る 出会う やりなおす
騙してつきあっていた?本性を知らなかった? 暴露 「……わかった」 「ふつうは怒ったり何かしないの?」 「だって仕方ないかなっていうくらい良い男なんだもん。ただの遊びならそりゃあむかっとしたりもするけど、曲げられない信念があるならいいんじゃない」
「反応薄いねえまったく」 「だってそれ何人にやってるの。私だってばかじゃありませんよ」 「少しも期待しないの?」 「してさんざんな目にあった女の子たくさんみたからね。それに折原くん、」
ハローワークで見つけた好待遇の仕事 おりはら 「……よく載せてくれましたねハローワーク」 「だって俺だからね」
好きになった日にわかった あなたは手が届かない人だと 「そんなに見られたら穴開いちゃうよ。何、〜好きなんじゃなかったの?」 「そうだよ?でも綺麗だから目の保養目の保養。ごちです」 「別にいいよそのまま俺のこと好きになっても。楽しそう」 「観察が、でしょ。まっさかあ好きになるわけないじゃん。あ、今日の夕飯何が良い?」 この間鍋が食べたいって言ってたから一応持ってきたんだけど。 「ああ、今日はいいよ帰って。約束があるから」 「…ん、わかった。まあた女の子でしょう。犯罪にならないようにね」 自分で聞くなんて馬鹿だなあ。どうせ傷つくのに 「あっちから誘ってくるんだから問題ないよ
子供、欲しいですねえ(か、いいですねえ、とか悪くないですねえとか) ガシャーンとコップ落とす だって有り得ない、何かの作戦だろうか?聞いたもの、子供なんかいらないって
しんらのくすりで小さくなるいざや 外見だけだけど中身も幼くなったふりをする、か、どっちも (小さい頃にあってればよかったのに、さぞかわいいでしょうねっていったけど、本当は、まだもう少し優しく接してもらえるんじゃないかとか、初めての相手なら覚えててくれるんじゃないか、なんて)
言い合いか別れ話か 別れるけど忘れ物を思い出して戻る。最後まで可愛くない女だったな。(素直じゃないか従順か)どうせ今もけろっとしてるんだろ。でも扉を開く前に嗚咽が聞こえる。抑えて、でも漏れたような泣き方。始めてみるくしゃっとした顔。もしかしたら今までも泣いていた?電話の声が震えるのは、電話が苦手で緊張しちゃうなんかじゃなくて、泣いていたから?
酒というものは〜で、〜で、そしてやっかいだったりする。 「何か私目が腫れてるんだけど、昨日何で泣いたかわかる?覚えてないんだよね」 「ああ…うん」 酒とは〜〜〜やっかいなものなのだ。
「一秒ごとに信念が変わるって言うか」 「なるほど、わからん」 「…」 「そんな目で見ないで!ばかな自覚はあるから!切なくなるから優しくティーチプリーズ!」 「頭が弱いのもステータスだよ、うん、そんなお前も俺は愛してるよハニー」 「ありがとうダーリン」 「わかりやすーくいうと、俺はカレーに醤油は邪道だって言った翌日はカレーに醤油を掛けてたり、ベジタリアンだって主張ておきながら肉を食べたりって、そういうことさ」 「うーん…?矛盾してるってこと?」 「いや、不安定っていうのかな……」 「情緒不安定みたいな?」 「もうそれでいいや」 いざやと会話 「(小難しい長ったらしい話略)」 「そうか、これが〜か…」 「えっ何の話?」
いざや、〜食べたい 食べれば? いざや作らない? 作るわけないじゃん、何で俺がそんなことしなきゃいけないの?自分で作りなよ …わかった、じゃあいいや ふうん 部屋で本読んでるね そう …なまえ あ、ううん、いいの、ありがとう波江さん 何が? …ばかね 何が あの子はあんたが思ってるより寂しがりなのよ。
もう夏になるのかとあの風さえも生温い気怠い日を思い出して鬱々としながら冬用よりも若干薄手らしいスカートを履いたが、まだ太陽は本領を発揮していないらしい。長時間外にいればジリジリとした熱に肌を焼かれるような痛みを感じるが、建物の中にいれば涼しくさえ感じる日和だ。窓から入ってくる風は冷えていて、心地よいと同時に肌寒くもある。 授業終了まであと三十分はあるがつらつらと書き綴っていたノートを閉じてシャーペンを手から放した。衣替えをして白くなった教室を見回すといつも目に付く黒がなかった。今日一日終わるまでは我慢しよう、と思ったけれど無理だ。 立ち上がると椅子の下がる音が静かな教室に響いて視線が集まった。黒板に独裁政治が引き起こした紛争の詳細を書いていた教師が振り返る。気持ちが悪くて耐えられない、保健室に行きたいと伝えて教室を出た。何人か心配そうな顔をしてくれたが新羅はびっくりしたような納得したような顔をしていた。きっとこれから保健室に行くわけもないのはわかっているんだろうなと思う。どこに行くのかも。 また授業を再開した教室を後目に戸を閉めて誰もいない廊下を歩いた。 * 昨日の帰り。たわいのない話をしていて気が抜けたせいか、体育があって疲れていたせいか、つい言ってしまったのだ。 「最近は特に被害ない?」 「臨也が言ったおかげで信者からはね。でもファンクラブは別」 「ああ…あの子達も懲りないねえ。だから信者にはなれないんだ。まあ違いを観察するのも暇潰しにはなるけど」 「ええーもっと別のことでしてよ。睨まれるとかまだしもノートの書いてあるとこだけ切り取られた日にはもう…平手打ちしようかと思った」 「…それはさすがにごめん。何の教科?ノート用意しとく」 「いいの?大変だと思うよ、現代社会」 「あの教師無駄にたくさん書くからね。まあ大丈夫、俺の頼みなら喜んでやるさ」 「うんノートが復活するのは嬉しいけど若干気まずいよね」 「そう?じゃあ関わりなさそうな子に頼んどくから安心してよ」
小さな苺を一つずつ、放課後に食べるのが毎日の楽しみだ。ワイルドストロベリーと呼ばれていて、蛇苺なんかと同じくらいの大きさの小さな果実を付ける苺。その可愛らしさから観賞用として育てられるのが一般なのだが、私は食用がメインだ。本当は普通の苺を栽培したかったのだけれど、実のなるのは一時期だけだし難しいからこっちにしたら、と先輩に薦められるままに変更した。大きさ的に少し食べ足りない気もするけれど、無事に育てられているし満足している。 今日も友達にバイバイと手を振ってから、校舎の少し離れた所にあるビニールハウスに来た。園芸部に所属して、そこで鉢を育てているのだ。活動内容が随分と自由な部活で、私のように室内で一鉢だけ育てている人もいれば、学校の敷地内にどんどん花壇を広げている人もいるし、同じ趣味の人同士で計画を立てて遠方まで有名な庭を見学に行く人もいる。私も苺好きな人と一緒に苺狩りとか食べ放題に行ってみたいなあなんて思っているけど部の中で苺を育てているのは私だけなのでそんな計画は立ちそうになかった。 中には誰もいない。この時間はよく野菜に水やりをしている先輩と被るのに、今日はいないようだった。じょうろに水を汲んで、鉢の下から水が出てくるまで土に降らせる。あげ過ぎても足りなくても良くないから、それくらいが目安なんだと教えてもらった通りにしている。残った水を捨ててじょうろを片付けてしまえば、あとはお楽しみだけだ。赤く色付いている果実は二つあった。いつもは一粒だけ。でも明日から二日間休日だから、そのままにしておくと熟れすぎてダメになってしまうかもしれない。ううん、と少し悩んだ末に二粒とももいだ。明日の分まで食べちゃえ。虫食いがないか確認してから水道で洗っていると、入り口のビニールがガサガサガサリと慌てた音を立てた。水やりを忘れた人が走って来たのかなと何となく見るも部員ではなかった。同じクラスになったことはないし喋ったこともない人だが見覚えはあった。それに格好良いのよって友達から聞いたことがあるので名前も知っていた。何か用事があるのだろうか。それにしては切羽詰まった様子だ。
水やりと、収穫。いつもは一粒しか食べない。でも明日はお休みの日だし、明日の分まで食べてしまおうかなあと考えていると、入り口のビニールがガサガサガサリと慌てた音を立てた。水やりを忘れた人が走ってきたのかなと何となく見たら部員の人ではなかった。同じクラスになったことはないし喋ったこともないけど、格好良いのよって友達から聞いたことがあるから名前は知っていた。何か用事があるのだろうか。それにしては切羽詰った様子だ。 「悪ぃ、ちょっと隠れて良いか」 思いもしなかったことを言われて焦りながら棚を指差した。じょうろやスコップが入っている大きめの棚だから屈めば見えないこともないだろう。 「そこの後ろとか、だ、大丈夫?」 「ああ、ありがと」 ロヴィーノ君はすぐにそこまで行って身を小さくした。
締め切りが近いエリザにアントニョ×ロヴィをネタにしようと質問責めで追われて逃げてきたロヴィ。 「そんなんで騒ぐくせに、あいつらどうせほんとだったら引くんだろ。ほら、上山とか。勝手だよな」 上山というのは三十後半くらいの男性教師だ。悪い人じゃないのに、ホモだという噂が流れていてみんなに気持ち悪いと言われている。たまにボーイズラブの話をしてる子達も例外じゃない。 「…そうだよね、それっておかしいよね。好きって言う癖に偏見があるなんて」 もしかしたら独り言だったかもしれないそれにポロリと思ったことを言ってしまうと、ロヴィーノ君はびっくりした顔で私を見た。やっぱり愚痴を言いたかっただけで同意は望んでなかったのかもしれない。お詫びにもう一個食べようとして摘んだ苺をあげた。 * 何がプラスに働いたのか、どうやら懐かれたようだった。おはようって擦れ違うと言ってくれるし、たまにお昼を誘いに来るようになった。生暖かい目で快く送り出す友達の勘違いを解こうとしたが何せこんなお年頃なので中々疑いは晴れなかった。それから放課後よくビニールハウスを訪れる。色んなことを話すけど六割くらいはある先輩のことで、何で私が彼に懐かれたのか気付いた。でもそれと同じくらいに、気付いてはいけないことに気付き始めてしまっていた。 「それでアイツな、〜なんて言いやがるんだよ」 先輩ひどいねロヴィーノ君だってちゃんとしてるのに、と言うとロヴィーノ君はだよなあって上げてた眉尻を下ろして笑った。私の前ではこんなに素直なのにきっと先輩の前じゃ不器用なんだろう。でも気付いてあげればいいのに。私ならできるのに。なーんて思ってしまうからそんなに私の前で笑っちゃだめだよ。 * 「君が〜〜?ロヴィーノ世話になっとるみたいでありがとうなぁ」 「ロヴィーノ何も言うこときかんから大変やろ、今日も無視されてしまってん」 (とか何とかでロヴィーノの愚痴みたいな。冗談かもしれないけど) 好きなら気付いてやればいいのに。暴言を吐いてしまう。 「…ごめん、なさい」 「…いや、俺もごめん。……好き、なんやな?」 「違います、ともだち、だから」 そうして隠して包み込んで * 「ほらまた、お昼誘われてるよ」 「はあい…あれ、フェリシアーノくん。どうしたの?」 お昼誘われて〜って言ってたけど、勘違いかな? 「お昼一緒に食べたいなって思って」 「わたしと?」 この間、ロヴィーノくんに紹介されて一緒にお昼を食べたけど、そんなに喋ったことはない。これまた別のクラスだったから。そんなわたしをお昼に? 「うん、なまえちゃんと。あ、でも、急にきちゃってごめんね、だめだったかな?」 申し訳無さそうにわたわたする姿が、見た目は似ていてもやっぱり違って可愛かった。笑ってしまう。 「ううん、うれしいよ、ありがとう」 「ヴェ、俺こそグラッツェ!」 * こないだのお昼でヒロインがロヴィーノを好きなことに気付く。 「…バレバレだった?」 「そんなことはないよ。兄ちゃん鈍いし、気付いてないと思う。俺、そういうのは好きだから見てるとわかるんだ」 「そういうの?」 「恋、とか、愛とか、そういうの。人が人を好きなのって綺麗なだけじゃないけど、でもやっぱり温かいものだと思うんだ。だからさ、何となくね」 そういったけどフェリが温かい人だから気付くんだと思ry
「でも、ロヴィーノくんは、」 「うん…」 みたいなそんな。アントンを好きなロヴィを好きになってひた隠しにする主人公を恋愛感情ではなく愛しく思うフェリ。
死にかけてる様子をすっごく比喩でわかりづらくな感じで、女の子が出てきて(おばさんでもいいかも)、何やかんやで目が覚める。 誰だったか思い出す。(わかっていてもいいかも) 彼女は死ぬときに待ってるって言っていたくせに。まだそのときじゃないとでも言うのか。ああ、やってやるよ。
ソウイウ本は好きなのに現実はてんで駄目。下ネタ話は好きだけど嫌いなんだそうだ。 「なあ、読んでてむらむらとかしねーの?」 完全な趣味なのだろうか。 「普通にするけど」 するのかよ。吹き出しそうになった。 「なのに嫌いなのか?」 「いや、何ていうか…いっそ人間が気持ち悪い?のかな?」 「知るかよ」 トラウマ略 「気持ちいいのは好きなんだけどね」 「嫌いなのに処女じゃないのか」 「いや処女」 「は?」 「だから言ったじゃん、むらむらはするって。その次は何するかって一つしかないでしょ。アーサーはしないの?男女差別?」
意外とあっけないものなんだよ。無視して通り過ぎるくらいに。 でもあなただけは
前に死んでしまっているから、新しく飼うというのは、ひどく可愛くて愛おしいのと共に、看取らなくてはいけないということをわかっていた。自分よりも早くになくなってしまうのだとわかっていた 形は違えど彼みたいだ 国の
捨て犬を見つけた。届けたけど、帰るときに見た目が何かに似ていて、寂しげで、放っておけなかった。飼いたくてアーサーに言ったのに駄目だの一点張り。そんなことがあったのだと彼の弟に言うと、そんなの簡単だと教えてくれた。早速実行「わたし、アーサーを待ってる間、寂しいの。だから…だめ?」ちょろいな (それに…君もわかるかもしれない。とアルフレッドが言っていたのは何のこと?(国の気持ち))
じゃあアーサーは一体どんな気持ちで?
「泣くなよ、泣かないでいいんだ」 「…そんなにさ、悲観することじゃないんだ。確かに俺たちは、これからもずっと生きていく、お前のことだって、看取らなきゃいけない、けど」 「それだけじゃないだろ?お前もさ、例えばこの子のことを、その時のことを考えて引き取った訳じゃないだろう?」 「愛おしかったんじゃないのか?寂しいのが理由だったとしてもさ、それを埋めるのって、愛じゃないかと思うんだ」 「そうやってさ、考えるのって、なくすことじゃなくて、楽しいこととか、どう過ごしていこうかとか、温かいことなんじゃないか?」 俺はさ、そうだよ。そうしてお前を愛しているよ。
(それでもやっぱり見届けることって悲しいからな、できればお前は知らなくてもいいと思ったんだ)
あいつ(あの子)はお前の顔色を伺ってるよ あんな子にさせたのはお前だ 気を使うような(フランからアーサーに)
毎朝よってく女子高生 朝ご飯なのだろうか? 「あたためましょうか?」 えっと、あの、うーん…ちょっとだけしてもらってもいいですか?暑いのにがてで… 猫舌なのかあかわいい(アントン)
クラスに馴染めない女の子 でもいじめられてるとかではなくて、おはようって言われれば返すし、可愛いものが好きみたいで、同じ系統が好きらしい子に話し掛けられると嬉しそうにはにかんでる けど行事になると病気を発動しちゃう。 クラス以外には友達がいるみたいでお昼はその子たちと食べてたみたいだ
クラスで班分け ふとあの子を見ると蒼白な顔で机を見つめていた。 「俺ら一人足りないね、どーする?」「なあ、俺誘ってきてもええ?」
ベラ嬢とお友達 甘えさせてくれる
「おいイギリスお前こんなとこにいていいのかよ…っていうかお兄さん何で招待してくんなかったの?!」 「あん?まだいいんだよ俺は」 「いいって何でさ。お前がいないと…」 「つったって今じゃ俺らのこと知ってんの極一部だろ。あの子だって慣れるのだけで大変だろうし少しずつってことにしたんだよ」 「だからってさあ…前代未聞じゃない…?」 「かもな」 「はあ…?」 「じゃあ帰るわ。ケーキごちそうさん」 「もう?どこに?」 「宮殿で女王とデート」 でも俺がイギリスなんだから内からひしひしと 目に焼き付けたいずっと(結婚式の度)
でも私たちはあなたのために生きているの そんなあなたに惚れたんです(菊)
大人しく愛されなさい
菊さん菊さん何で泣いてるの?何かあった? いいえ、いいえ、素敵な国民を持ったなあって、思ったんですよ 「菊さん菊さん」 「こんな素敵な国に生まれることができてよかったよ」ああ、
「まだ若いけれどきっとすぐに、セックスもできなくなって、キスさえしたくなくなるようになるわ。老いてしまうから。目も悪くなって、体力も落ちて、自分のことすらできなくなって、ギルのことだって忘れてしまうかもしれない。ギルは優しいから、そんな私でも見捨てないかもしれないけれど、私はそんなの嫌だ。今の内に別れて、馬鹿な女もいたなあって思うか忘れるのがきっと一番なのよ」 「…なら大丈夫だ、俺熟女も守備範囲だから」 「嘘、ギルが好きなのは二十代が縛られるのオンリーでしょ。それかSM。それしか本とビデオないじゃない……ってそんな話じゃなくて!私は真面目にっ…!」 「お前こそ真面目に考えろよ。たかだか外見なんぞでお前と居ると思ってんのか」 「そんなこと思ってないわよだってギルと初対面の第一声、何だこのガキだったもの。そうじゃなくて、おばあちゃんになっちゃうのよ私。外見どころかよぼよぼに。」 「いいじゃねえか、それで」 「きっと実際になったら後悔するわ」 「しねえよ」 「嘘」 「しない、絶対。なあ、お前、わかってるか?」 「何を」 「俺がどれだけお前を好きか。外見とか、欲の発散とか、そんなのどうでもいいんだよ。お前だから好きなんだ。お前だからキスだってしたくなるし、触りたいし、もっと近くにいきたいし、感じたいって思う。誰より近いところで。でも例えばお前がもうセックスしたくなくなったらそれで良いんだよ。キスして抱き締めて寝る。それさえ嫌だって言われたら、手を繋ぐだけでも良いんだ。一緒にいれれば」 それだけで俺は言葉にできないくらい幸せなんだって、お前は、わかってるか? 「……ば、か」 「馬鹿でいいから泣くな」 「そんな、の無理だばかぁ」
「なあところでお前何で本とビデオの内容知ってんだよ」「え、こないだフランシスがギルに借りたっていうのを返しにきて、隠し場所教えてくれた」「…あの髭野郎…!」 (国×人間がこの頃超ブームだった)
アーサーが綺麗なお姉さんと妖しいとこを発見 紳士に振る舞ってたのに二面性? 「避けないのか?それともご近所付き合いのためにスルー?」 「いいえー人間なら誰しもああでしょ。それにあんな美人分けて欲しいくらい」 「何だレズか?」 「まさか。至ってノーマルですよ。言葉の文です。それに同性から見ても美人だったしね」 … あっあの人の鎖骨かっこいい 鎖骨、ねえ…変態くさくない そういうあんたはどうなのよ。好きなとことかないの? うーん…手首、とか? それも十分変態くさいでしょ。でもわかるわかる。…あっ、あの人とかよくない そうそうこんな人の手首かっこいい…皮手袋とか死にそう …へえ?俺の手首、ねえ? …え? (アーサーと同じアパートなシリーズを予定してた)
教室で一枚の絵を拾う 水彩絵の具の塗りたくられた抽象的で決して上手とは言えない絵。でもそこから伝わってくる優しさがうんたらかんたら
私たちのイタリア(様)よって言われて、神の使いみたいな人たちをそう呼ぶのかなあと思ったけどまさか読んで時のごとくとは もしくは国と気付かないまま あるいはイタリアさんと仮定して呼ぶ
彼女のこと覚えてる? …なん、そんな話するの珍しいやん そらさないでさ わかっとるやろ、お前なら。 …確認だよ。ごめんね、彼女からの頼みだったんだ (アルバム捨ててごめんね)
あれしてこれしてって言ってもやーなこったばっか言ったから怒って、おやつ抜きにして、アーサーの家行こうとしたら、(何でアーサーの家なんだい!知らなかったの?仲良いんだよ)反省して、わかった、じゃあ私が今度やーなこったって言うからきいてね 何だいそれ いいでしょ、それで許してあげる わかった (別れるときとかに使う)(また国×人間である)
国に関わる仕事をする人には、抽選で世界規模のパーティーの招待状が届くらしいと噂があった。クリスマス 「うわ…来た」 本当だった
前の彼女のことば アーサーのもとかのなんて、だけど、いいひとだったんだなあ
まるで孫みたいに思われているような気がしてなりません。 「#name1#さんお菓子いかがですか?」 「あ、それこの間の!食べたい!………ハッ」 世界の愛のお兄さんに訊いてみた。 「そうだねえ、気持ちさえあれば伝わるのさ。というわけでアタックあるのみ!手始めにハグしようって言ってみたら?アルとかともしてるしーって言えば恥ずかしくないでしょ」 「菊さん菊さん!ハグしたいですハグ」 「フェリシアーノさんの真似ですか?可愛いですねえ、はいはい」 普通にハグされました。 世界のお兄さんを訪ねました。 「あららら…欧米化で慣れちゃったのかねぇ。前は顔赤くしてたのに」 「そうみたいです…だがしかし心臓死ぬかと思った」 「じゃあ次は…」 中略 「最終手段だ、あれなら絶対行ける」 「ほんとですか!」 「ほんとほんと。ただ簡単にはできないよ」 「何でもがんばります」 同人誌を渡されました。
ドサッガタガタ 痛い 菊さんぽかーん ちょっと出る場所間違ったんですよ! 石垣から落ちてきたんじゃないんですか (魔法使いだったんだね)(馬鹿じゃないの様お題)
「遅ぇよ」 私が真後ろに着くと雇い主が振り返って微笑んだ。 「申し訳ありませんご主人様」 たっぷり皮肉が込められた笑みを丸々そっくり返して、ご主人様、を強調させると彼は小さく吹き出して上等だ、と楽しそうに言った。何が上等だ、何が。それはもう重いキャリーバッグを運ばせて、音で気付いてるだろうに、ああ来たな、なんてさも今気付きましたと言わんばかりの名演技を私に披露して。それだけじゃない、毎日毎日、私に大変なことばかり押し付けて彼は楽しんでいるのだ、全く冗談ではない。せめて他にも人を雇えばいいのに私一人なもんだから、毎日三回以上洗い物をする手があかぎれてしまった。見られたらからかわれるに違いないと、薄くて白い手袋を彼の前ではすることにしたが、物を掴みにくくて作業が難しい。それにそもそも私は使用人なんかじゃないのだ。現代に未だ使用人がいるなんて知らなかった。普通に仕事をしてたまの休日にお洒落を楽しむ一般人だったはずなのに。だから私が「もう辞めてやる!」なんて叫んだって罪じゃないに違いない、叫びたい、けど結局叫んだことはない。 「悪ぃな、からかいすぎたよ、ご苦労様」 むすっとして黙り込んだ私の頭をポンと撫でると、あんなに頑張って運んだキャリーバッグを軽々と持ち上げて車に積んだ。もう一度こちらを振り返って、私のしかめっ面が少し緩んでしまったことを確認して、行ってきますと車を出発させた。こうして私を宥めてしまうのだからずるい。初めて会ったときの優しげな瞳を、こんなときにだけするのだから、本当に彼はずるい。 * 洗濯や掃除を一通り終わらせて椅子に座った。やっと一息付ける。もう見慣れてきてしまったが、この椅子も、テーブルも、家のどこかしこもアンティーク調で可愛らしい。住んでるのはあんな奴だけど。さて紅茶でも淹れようかなと立ち上がったところでチャイムの鳴った。まさか。心臓が期待で早打ちする。次いで、「お兄さんだよ〜」と聞こえた。玄関まで小走りで行って髪を整えながら扉を開ける。 「フランシスさん!」 「はーい#name1#ちゃん。待ち遠しかった?」 「それはもう!」
トントントン。目を覚まして最初に聞いたのはその音だった。バターの香ばしい匂いも鼻に届く。目を擦って体を起こすと首や背中が痛い。それも自分が寝ていた場所を見れば納得がいった。そうだ、昨日は一緒に映画を見ながらソファで眠ってしまったんだった。何となく借りてきた映画はシリアスなアクションものだったはずなのだけれど、サブキャラの青年の眉毛がアーサー並に立派でどことなく似ていて、いつの間にやら置き換て見てしまい泣くはずのシーンで大爆笑してしまった。多少やましい気持ちになるかと思っていたベッドシーンさえも笑えてしまって、そこらのコメディ映画を見るよりも笑い通しだった。今度借りてくるときはこの俳優がいないことを確認してからにしようと思う。キッチンを見ると#name1#が少し大きくて不釣合いなエプロンをしていた。可愛くて少し悶えそうになった。菊ちゃんが言う萌えというものはまだよくわからないけど、多分こういう気持ちなんだろう。 「おはようさん、今日は早起きなんやね」 トマトを切っていた包丁を下ろしたのを確認して、手を伸ばした。後ろからぎゅう、と抱き締めると小さい彼女はすっぽりと納まった。おはよう、と顔を上にあげた額にリップノイズを立てるとくすぐったそうに身じろぎする。 「珍しくアントーニョより早く起きれたから朝ごはん作ってみたんだ。あ、エプロン借りたよ?」 「ええよー。フレンチトースト久しぶりや。うまそうやなぁ」 「ふふーこれまた珍しく焦がさなかったから多分美味しいよ!サラダはドレッシング何にする?」 「んー…シーザーにしようか」
パーティー会場 フランシスがショールをかけてくれてフランシスが髪をまとめてた綺麗な飾りの髪留め?髪ゴム?でショールを胸の前で固定
自分は一人だと思っていた。 欲しかったらぶんどればいいのだと思っていた。 そういう生き方しか知らなかった。戦うために生まれた。 気が付いたのはいつだったか。顔を上げてみなさいと、言ってくれたのは、誰だったか。 俺は一人じゃなかった。幼馴染が仕方ないわねと、悪友が、馬鹿だなあと、笑って手を伸ばしていた。 この手は手綱を、剣を握るためだけのものではなかった。フルートの優しい音を紡ぐこともできる手だと、親父が教えてくれた。 この腕もそう、何かを壊すのではなくて、大事なものを、そっと、守ることを。なあヴェスト、お前を初めて抱きかかえたとき、何でかなあ、泣いちまったんだよ。小さいのに大きくて、愛しくて、俺に守れるんだろうかって。守りたいって。 「お前、本当でかくなったよな。もう、お前なら大丈夫だ」 イタリアちゃんに、日本。良い友達に恵まれたよ。…ああ、それは俺も同じか。
どんっ。腕に鈍い衝撃が走って抱えていた紙袋が離れた。買ってきたばかりの茶葉が落ちる。今日は雨だ、晴れの日ならぶつかった相手に文句でも言ってやりたいところだ、が水が染み込むとまずい。それは諦めて落下しただろう場所を目で探した。すぐに見つかって手を伸ばそうとする、けれど白い手がそれをすっと拾い上げた。お前何する、と声を掛ける間もなく瞳を奪われた。白い肌と同じように真っ白なワンピース。裾にフリルがあしらわれただけの簡素な、それでいて美しかった。 「すいません、ぶつかってしまって」 そう言って彼女は真っ白なその裾で紙袋に付いた泥を拭った。 「お、おい!そんなことしなくて大丈夫だ」 「いえ、申し訳ありません。 めも 「さようなら、アーサー」 女がふわり、と微笑んだ。目元に何かがきらっと光ったような気がして、それから白く霧散して消えた。突然の出来事で声も出ない。白昼夢でも、見たのか?知らない記憶が頭を過ぎる。 『私の名前を呼んで、貴方の声で。耳に焼き付けたいの、お願い、最後のわがままよ』 『そんなこと言うな、名前なんていくらでも呼んでやるから、』 『大丈夫よ、お願い、お願いだから呼んで』 『──、──、消えるな、まだ、』 『』 『待ってくれ、まだ俺は、』 『さようなら、アーサー』
これは、誰だろう、俺は、俺は。名前なんて彼女に教えてだろうか。腕の中にある濡れた紙袋が冷たかった。
いつかの記憶
「満足か?」 「はい、ありがとうございました」 「構わんよ、ルールを破らなかったしな。守るにしても随分淡白だったな」 「いいえ…良いんです、十分でしたから」
「I'm home」 家中の空気が震えた。扉を開ける音と、それから、久しぶりに聞く低くて甘い声。編んでいたマフラーから手を離して、毛糸玉が落下するのも気にせず玄関へ走った。 「Welcome back, Arther!」 くたびれた軍服に、薔薇の花束。イングリッシュローズの優しい香りが微かな血のにおいを包んで#name1#には届かなかった。駆け寄ると直ぐ様掻き抱くようにぎゅうっと腕を回される。片手を背に、もう一方は頭に。はー…と息が吐き出される。安堵の溜息だった。 「ああ…帰ってきたんだな」 白の裸足は海に溶けることなく、どろり、(呼ばれた気がした太陽より向こうのあなたに、どうして私には羽が生えていないのだろう)(00様お題)
ドサッ、ガサガサ。庭に面する廊下を歩いていたら、何かが落ちたような音が聞こえた。小鳥でも落ちてきたのか。庭に出るために置いてある履き物に足を通して、腰より低い生い茂った樹なんかを見回す。何もいない。ガサガサという音がしたからこの辺だと思ったのだけれど、何かが落ちてきた形跡はない。じゃあ家ではなくてご近所さん 「ん、ありがとう」(魔法使い出だし)
暗い静寂に包まれると、身が竦むような思いになる。明日はどうなるかな、昔はどうだったかな、照らし合わせて、考えて、考えて、考えて…頭がパンクしそうになる前に抑えて、未来の事を考える。此処から出たら何をしようかって、皆がいっぱい案を出したけど、まだもっとないかって。そうして、温かい気持ちになって、そのためにどう明日を乗り切るか考えて、繰り返し。皆が起きるのを待ちながら布団に包まっている。目が疲れて少し閉じると暗闇でいっぱいになった。 「フェリ…フェリ?」 柔らかい声で呼ばれてハッとする。しまった、少しまどろんだのか。急いで目を開けるけれど、相変わらず暗闇に覆われていた。その中にぽつんと、ただ少女が立っていた。彼女と自分だけが、この空間にいる。 「フェリ、やっと気付いてくれた。夢の中でまでシエスタなんて…まあフェリらしいけど」 少女が笑いながら、手を伸ばして髪を撫でた。寝癖が付いていたらしい。直してもらいながら、色々な事を疑問に思う。同盟を組んだ人しか知らないはずの名前を何で知っているのか、俺は彼女を知らないのに何故彼女は俺を知っているのか。彼女の言う通りここは夢の中なのだから、そんな疑問は意味を持たないのだろうが。 「にしてもここ真っ暗だね。ちょっと怖いなぁ。フェリと一緒だから大丈夫だけどね、折角ならお花畑とかでのんびりが良かったかも」 俺が黙ってる間も続ける彼女に君は誰なのかと尋ねると、やっぱり、という風に笑った。 「ちょっと違うなあって思ったの。私を知らないフェリが出てくるなんて変な夢だね」 「君の夢?俺の夢じゃなくて?」 「そうでしょ?だってちゃんと意識あるし」 誰なのかの答えを聞く前に引っ掛かって問い掛けると彼女はきょとんとした。早く起きないと記憶が流れてしまうからどうにか起きられないだろうかと頭の片隅で考えていたのも忘れて、俺もきょとんとする。 「俺も俺の夢のはずなんだけど…あれえ?」 知らない少女がこれは私の夢だということ事態が俺の夢なのか、本当に彼女の夢なのか。考えると眉間を指で押された。 「皺寄せて真剣になるフェリなんて初めて見た」 言われてから気付く。いつも表情に気を付けていたけれどそんな必要はないと、自然体でいたらしい。 「じゃあさ、こういうことでいいんじゃない?きっと二人の夢なんだよ」 「二人の夢?」 「そう、私の夢だし、フェリの夢なの」 「君ので、俺の…」 「うん。でも、違う世界のフェリなのかなぁ」 違う世界。突拍子もない言葉だけど、自分が今必死になっている館のことを考えたら、何があっても不思議ではないと思った。 「ね、ね、さっき聞きそびれたけど、結局君は?」 「うーん…がっかりしちゃうかもしれないけど、一緒にシエスタするような関係かな」 「!それってつまり俺の恋人?こんな可愛い子が恋人なんて羨ましいなぁ!全然がっかりなんかじゃないよ」 俺に恋人なんてできたんだ、とか不思議な気持ちが相まりながらも嬉しくて両手を繋いでぶんぶん振ると彼女は顔を赤くしたから何だか可愛かった。 (某動画の三次創作)
さんさんと太陽が降り注ぐ。それが在ることで朝があり、また夜がある。温かさを分け与え、光をもたらしてくれる。生を持つものにとっては必要不可欠なものだ。 Besos 小さな小さな声で紡がれるそれは、子守歌のような、賛美歌のような。優しい響きを持ったメロディが、甘い低音で、馴染みのない言語、多分彼の母国語で、歌われる。繋がれた手のひらから伝わる熱を感じながら、目を閉じて。#name1#はアントーニョに身を寄せて、体を預けた。近くなった距離、肩に乗せた頭に歌は降り注がれ続ける。甘く甘く、ただそれは鼓膜を揺らし波を広げた。 暗転。 「てやあっ」 「うわああああ!」 どん、急に襲った浮遊感。何だどうしたソファは、あの心地良い歌は。現状把握もできないまま傾く視界。とりあえず自分が倒れるのだということはわかった。痛いかな、痛いだろうな。反射的に目をきつく閉じるがいくら待てども衝撃は来ない。誰かが支えてくれたみたいだ。あたたかくて、細身なのにがっしりとした腕が巻きついていることが、落ち着いた頭で分かった。 「大丈ー夫、#name1#ちゃん」 「あ、ひげ…」 ゆっくりと目を開ければ柔らかい色の細い髪の毛。フランシスだ。 「ひ、ひげって!第一声がそれは傷付くよお兄さん!」 「だって最初に見たのひげだったんだもん、ごめん。ていうか何今の」 とりあえず話してもらいながら尋ねると、すぐ隣の銀髪を指差して苦笑いをした。 「あんまりにもぐっすり幸せそうに寝てるもんだからどうするかって話してたら、コイツが。とはいえデコピンだけで机から落ちるとは…。プーが怪力なのか#name1#が反応良いのか」 「どう考えてもコイツが過敏なんだろ。ビビっただけか知らねーが、俺そんなに力入れてねーっての」 なるほど、おでこが妙に居たいのは気のせいではなかったらしい。今度絶対にやり返してやろうと思う。 「ていうかここ学校だったのか…」 「え、そこから?どんだけぐっすり寝たのよ」 きょろり、と教室を見回した私に二人とも笑った。人の数はまばらだ。手繰り寄せた記憶によれば意識が途切れたのは数字の羅列を見ながらだから、眠ったのは五時間目のはず。その後も授業があったというのによくまあ放課後まで起こされなかったものだ。 めも 「トニーは?」 トマトに水遣り?ぎるととにー、ふらんとなまえ、クラス分け。 「なまえ放課後まで寝てたんやって?俺もよう寝るけど〜略〜何か夢見たん?」 「うーんと何かね、うん、まあ、幸せな夢だったよ」 「へえー良かったなあ。誰か出とった?」 よくわからんとりあえず最後に現実でトニーが歌えばいい
これ一冊でできるイタリア語。初めての方にもわかりやすく簡単解説! そんな見出しの本を#name1#が購入してきたのはついさっきのことだ。馴染みの本屋の紙袋、そこから取り出されるのはいつもなら漫画本であるのに、出てきたのはそれ。驚いて思わず緑茶を湯のみでなく手に掛けてしまった。熱い。大丈夫?という問いにええ、とだけ答えてタオルで零した水分を拭いた。冷水で手を冷やしたかったが今はそれどころでない。なるべく冷静に、何でもないふうに尋ねた。 「イタリアに興味があるのですか?」 「うん、すごく綺麗な街がたくさんだから、いつか行って見たいなあって」 そんなこと初めて聞いたのですけれど!もちろんそんな事は口に出さずそれで?と促した。 「それを見るきっかけになったのは一体?」 外れていますように、と願うけれど爺の勘を舐めてはいけません。外れたことなんてないのだから。 「…やっぱり菊ちゃんには筒抜けね。テレビで見たから〜って言っても騙されてくれないんでしょう」 「当たり前でしょう。爺を何だと思ってるんです」 「洞察力の鋭いヲタク爺だと思っています」
遠くの大学を受けるから離ればなれになっちゃう、なんてよくある陳腐な少女漫画。それにさえ泣いてたのにそれが今度は国外、しかも架空の世界じゃなくて知り合いのお姉さんの話でもお母さんの切なく甘い思い出でもない、私に突き当たった問題だ。こんなこと現実にあるのねすごいわって笑えばいいのか友達に自慢すればいいのかわからない。雲雀くんがイタリアに行く。それは変えようのない事実だった。イタリア?ムッソリーニって授業でやったよね〜くらいしか知識がなくて場所だって知らないけど、遠いんだってことは知っている。遠い。修学旅行で沖縄に行くとき、「楽しみだけど家を離れるのって少し寂しいなあ」って言ったときに一瞬変な顔をしたのは、このせいだったんだとわかった。たかが沖縄で寂しくなる私、国外なんて、寂しくて泣いちゃうよ。でも雲雀くんにイタリアの話を聞いてから、私は一度も泣いていない。遠すぎてわからなくて泣けやしない。 「ねえ起きてる」 問い掛けているものの起きることを催促しているわけではないのか、肌寒かった手足にふわふわとしたものが触れた。
「大丈夫、痛くない?」 頭の下にある太腿は華奢な見かけと違って硬い。羨ましいくらいに美人だけれど、やっぱり彼は男なのだ。腹の方を向いて寝ていたからパジャマから柔軟剤の甘い匂いが届く。耳の浅い中を綿棒が控えめに擦った。お風呂上りの耳掃除。いつもはわたしがしてあげるのだけれど、今日はしてくれるのだという。違う立場というのはどうにも恥ずかしいのだが、甘やかされたい気持ちに負けてしまった。 「ん、だいじょぶ」 そう答えれば雲雀は安心したようで、優しい力加減のまま少し奥に進んだ。その瞬間、ぞわり、と背筋を何かが駆け抜けた。反射的に体が縮こまって、雲雀が笑う。低い声が空気を震わすのが堪らない。耳元じゃなくて良かった、と安堵する。きっと死んでしまう。 「気持ちよくてきゅーってなっちゃった?」 「!!?」 耳に口がくっつきそうなくらい近くで声がした。吐いた息まで直接掛かってしまって頭が破裂するかと思った。一瞬思考が停止して、それからすぐに顔が熱くなる。それを見てまた雲雀が笑う。今度は耳元で。もうやめてください死んでしまいます。 「顔真っ赤だね」 「ば、ばか、ひばりのせいでしょ!もう、変な事言わないでよ」 「変なこと?どうして、痛かったわけじゃないでしょ?それとも痛かったの?」 「違う、けど…でもそんな、あの…!」 上がる体温に気が入って言葉が見つからない。絶対わかってて言ったはずなのに、しかもわざわざ耳元で。なのにわたしを責めるなんてちょっとひどい!と思ったけどもしかしたらからかうことが目的だったのかもしれない。だとしたらどうしようもなくて、言い返す言葉もみつからなくて、結局言い淀んで終わった。 「ごめん、可愛くていじわるしちゃった。怒った?」 そんなこと言われたら、何も、言えるわけがなくて。それさえもわかってやってるんだったらすごいな、と思う。でももしそうでも怒る気なんて起こらないから、もう大分手遅れだ。きゅん、と胸が高鳴ってさえいる。 「もう、わかってるんでしょう。怒ってないから、続きしてよ」 体をひっくり返して腹に背を向けた。雲雀から返事はなくて、耳に感触もなくて。待てど何もないので仰向けになると、突然唇を塞がれた。
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