豪+吹



吹雪は髪の毛を乾かさない。食べ物も好き嫌いがあるし食わず嫌いだ。それが何となく気になってかまいたくる。


「ほら!ちゃんと乾かせ!風邪引くぞ。」

「んー…」

「寝るな!」


最近豪炎寺くんがうるさい。

風呂から上がった僕の髪をタオルでガシガシと乱暴に拭く。ある程度乾くと、

「ちゃんとドライヤーかけとけよ。」

といってドライヤー(豪炎寺くんの)を置いて何処かへ行く


僕は寝たいんだ。
でも乾かさないと後でまたガヤガヤ言われるから、しようかな…

でも眠いな…


寝ようかな……



でも豪炎寺くん怒りそうだしな。



面倒くさいながら、そこいらにあったペン立ての中身を出してドライヤーの掴み部分を入れて固定する。と…

ほら!
自分の手で持たなくても髪が乾かせる。

スイッチを入れて後ろを向けば、髪にいい感じにドライヤーの風が当たる。


ふぁあ。眠い…。


「(+.+)(-.-)(__)..zzZZ」


少しして貸したドライヤーを取りに部屋に戻ってきてみれば…

「こら!吹雪、起きろ!」

「あいたっ」


ドライヤーをつけたまま座って寝ている吹雪の頭をポコッと叩く。
ったく、コイツは……


「髪が焦げるだろ。」

「え!?髪って焦げるの!?」

豪炎寺くん意外と女子力もあるんだね。って呑気なもんだな。
そんなヤツだから何があっても気になってしまう。


「ほら、貸せ。」

「ん。」

ガチャッとドライヤーをペン立てから引っこ抜いて豪炎寺くんに渡すと、座っている僕の後ろに膝立ちになって、僕の髪に気持ち良い風が当たる。

「寝るなよ…。」

「…………..zzZZ……」

「吹雪!」

「わぁ!……僕、寝てた…?」

「はぁ…髪はほっとくと大変なんだぞ。お前はくせ毛だから尚更だ。」

豪炎寺くんの指が僕の髪を優しく撫でて、それが気持ち良くて自然と目が閉じてきちゃう。

「んー……でも、乾かすの面倒くさい。」

「明日も来てやるから。」

「本当…!?」

「あぁ。」

「やったぁ…じゃあまってる…。」

チラッと見えた吹雪の頬は少し赤くなっていて思わず手を伸ばして触りそうになった。

俺も何だかんだ世話焼きだな…。


「……..zzZZ」

「吹雪!」

「あいたっ」





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