豪→吹+円+宇



「そこはそうじゃない。」
「えぇー、何なんだよ。もう分かんねぇ…。」

FFIの最中
学校の授業を受けれないため、イナズマジャパンのメンバーは宿舎で与えられた宿題を進める日々が続いている。

「豪炎寺の教え方怖いんだよ。」
「なっ!?お前が日頃からやらないからだろ。」

夕飯や入浴が終わって8時30分
各自食堂で勉強を始めていた。最初は一人でしていた豪炎寺だが、後から来た円堂に頼まれて数学を教えることになった。

「……はぁー。ちょっと休憩」
「おい、まだ三問しか解いてないぞ。」
「豪炎寺さん!」
「虎丸…。」

うなだれる円堂の脇からグッと虎丸が入ってきた。

「俺にも教えて下さい!」
「あ、ああ。」

若干押されぎみで受諾した豪炎寺だったが…



――――30分後。


「ここの割合は、80%が会社員の月給だから…」
「はい!」

「……………。」
「円堂、寝るな!」

全く自分の勉強が手につかなくなっていた。

「(………熱い。)」

豪炎寺の右には豪炎寺の腕を枕にして寝ている円堂。左にはやたら肩を寄せてくる虎丸。

「で!ここはどうしたらいいですか!?」
「あぁここは。……って、お前。さっきも教えただろ。」
「忘れちゃいました!」
「…………んが……かぁちゃん。」

「(正直もう部屋に帰りたい…。)」


さすがの豪炎寺にも疲れが見え始めた時

「あれー…皆いないと思ったら勉強してたんだねぇ…。」

風呂から上がったばかりの吹雪が眠そうに目を擦りながら食堂に入ってきた。

「吹雪!」
「豪炎寺さん…!?」
「ガツンッ…………くかー…。」

豪炎寺は吹雪を見るなりガタッと立ち上がり寄る。腕がなくなってテーブルに頭をぶつけても円堂は眠ったままだ。

「もう寝るのか?」
「うん…。きょうはなんか疲れちゃったー…。」

余程眠いのか呂律が上手く回っていない。

「じゃあ、ぼくねるね。」
「待て、俺も行く。」

豪炎寺はもといたテーブルに戻ると出していた道具を片付け始めた。

「悪い虎丸。変わりに鬼道に教わってくれ。」
「え!?豪炎寺さん!?」
「風丸。円堂を頼む。」
「あぁ。……円堂、ほら起きろ。」
「……んぁ?」

全て片付けて入り口にいる吹雪の所へ戻ると、待ちきれなかったのか近くの壁に寄りかかって眠っていた。

「吹雪、ちゃんと部屋で寝ろ。」
「……んー。」
「吹雪。」

豪炎寺が肩を譲って呼んでもはっきりと目が覚める気配はなかった。
その代わりトロンとうっすら開いた眼で寝言のように「ん、…おんぶ。」と言って手を広げてきた。

「………はぁ。(しょうがない奴だな。)」

豪炎寺は、よいしょっと吹雪を乗せ廊下を歩き始めた。何だかんだ吹雪を甘やかしたい豪炎寺だった。






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