◎豪吹E
目が覚めたら、外は雨が降っていた。豪炎寺くんはまだ帰ってきていない。
熱い…。
はぁー、と熱を外に出すように息をはく。けだるい身体を起こし、借りたジャージを脱いでパジャマの上だけと下着一枚になる。
…………しっぽ……。
熱で浮かされた頭でぼぅっと尻尾を見つめる。
これ、本当に僕のなんだよね…。
足の間から尻尾を前に通して触ってみた。耳より少し堅い毛。だけどよく見たら一本一本は薄かった。
さっき豪炎寺くんはどこを触ったんだろう?無意識に弱点を探すように手を動かす。どうやら全体的に弱いわけではないようだ。
ふさ、ふさ、
尻尾の先からゆっくりと手を下ろす。逆毛にしているようでちょっとくすぐったい。
「………?………!んあぅ」
いきなりひくんと身体が跳ねる。そこは尻尾の付け根部分で、触ると電気が身体を走った。
「ん!……んぁ…はぁ……?」
もう一度触れてみる。今度はゆっくり、ゆっくり。声を押さえながら…
「…はぅ…ん、んん…ぁ…」
ここで間違いなさそう。
でも何でこんな……気持ちいいんだろ//
「…はぁ……は、ぁ…」
気がつけば自慰するように弄り始めちゃった。欲が貯まってる訳じゃないのに、どうしてか手が止まらない。…僕こんな事したことないのに。片手で尻尾を抱きしめながら無意識に足を開く。
「はぅぅ……ぁ…ぁあっ」
触っているのは尻尾だけなのに、まるで自分のを触っているような…ううん、それ以上かも//
限界が近くなって夢中で触っていたらここがどこなのかをすっかり忘れてた。
「吹雪?」
「!?!?」
ガチャッと戸が開いていたのに気がつかなかった。目の前に現れた豪炎寺くんは雨に濡れて髪がしっとりしていた。
………じゃなくて!
「…豪炎寺くん、こ…これは、その//」
「………?」
一瞬時が止まった。
けど、それは本当にほんの一瞬だった。
僕の真っ赤な顔や体勢なんかから直ぐに何をしていたか予想がつく。次に目があった豪炎寺くんは、何だか全てを分かりきったような表情で、持ち帰ったスーパーの袋をテーブルに置くと僕に被さってきた。豪炎寺くんの体重で、自然と押し倒される。
「へぇ、吹雪も自慰するんだな。」
「ち、違うよ。これは尻尾を観察してたらね…」
「じゃあ今もしてみて?…観察。」
「……え」
「ほら。」
手を掴まれ尻尾まで持っていかれる。
なんか、とたんに意地悪になった気がするんだけど…。
しかも足を開いた中に豪炎寺くんが入って来たせいで足を大きく広げられてて、いますっごく恥ずかしい。
「ほら、どうしてた?」
「ん、……//」
触れるだけの優しいキスをくれた。あぁ、まずい。また流されちゃいそう…。この目とこの声に弱いんだよね。
「……ん、…んぁっ」
豪炎寺くんの色気に負けて、声が出ないように口を押さえながら、ゆっくり手を動かし始めた。ギュッと目をつむる。
恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。
「……んん、…んっ…!?ひぁあん」
いきなり服の上から自身を撫でられて声を上げる。
「吹雪、目閉じないで。」
「…や、やぁ…ァッ」
口を押さえていた手で撫でている手を掴むけど、掴んだだけで何の抵抗にもならない。
「…ぁぁ…もう、…みせたでしょ?…はぁ」
「まだダメ。」
「…へ?…あ、ァアッ…!」
些細だけど確実に与えられる快楽に少しもどかしさを覚える。でも、でも、このままじゃまた…
「吹雪、いま誘ってる顔してる。」
「ち、…んん、違う。…はぁ、っひ」
「ほら。手止まってる。」
僕の手の上に豪炎寺くんの手が重なって擦る速さが早くなる。限界が近いのにそんなことされたら僕もう…//
「やっ…ァーッ、…ぁあっ!だめ、だめ」
「吹雪、可愛い。」
「ッ…あっ…でちゃう…!」
激しい責め立てに耐えられなくて
「大丈夫だから。」
「…ァアッ…あ、ぁああ!」
とうとう出しちゃった。
これ、豪炎寺くんのパジャマなのに…
「尻尾だけでイけるんだな。」
浅い呼吸をする僕にキスを落とす。
「はぁ、はぁ…ぁ…豪炎寺くんのばかぁ」
キッと睨むけど全く効果がないみたい。まぁ自分からしててこうなったんだから抗議はできないけど…
「……つかれた。」
「シャワー浴びるか?」
「うん。」
ちょっと拗ねた口調で言うと豪炎寺くんは甘くなる。
「豪炎寺くんも、…一緒がいい。」
「!……あぁ。入るか。」
こうしてお風呂で(そういう意味で誘った訳じゃないけど)豪炎寺に好き勝手されて、僕の風邪は悪化した。
豪炎寺くんは反省と共にすごく心配してたけど
僕はまた豪炎寺くん家に泊まれるならちょっとラッキーって思ってるんだ。