豪吹D



「辛くないか?」

ソファーに横になっている僕に布団をかけながら豪炎寺くんが聞いてきた。

「少し買い物に出てくる。寝てろよ。」
「うん。」

チュッとおでこにキスを落とし出ていこうとしたものの、豪炎寺くんは財布を探し始めた。
ふふ、意外とおっちょこちょいなんだ。その姿を目で追いかけて…。

あれ。
耳と尻尾が出っぱなしだけど良いのかな。人に見られたら大変なんじゃ…

「…豪炎寺くん、耳出てるよ?」
「あぁ。普段から出てるんだ。人に見えないだけで。」
「……そうなんだぁ」
「昨日みたいに、見えるようにすることもできる。」
「僕にもできる?」
「あぁ。いまはまだコントロールが上手く出来ないだろうが、そのうち。」

あった。と財布を見つけたらしく、今度こそ出かけるみたいだ。

「いっらっしゃい。」
「いってきます。」

カチャンとリビングのドアが閉まると、しんっと静まる部屋。
家でもひとりだから慣れているはずなのに、今日な何だか寂しい…。風邪のせいかな?

まだ熱が上がるのか寒気がして、かけてくれた布団をギュッと握った。

豪炎寺くん、早く帰って来ないかな。

豪炎寺くんといると楽しい。幸せ。こんな気持ち久しぶりだ。

…ちょっと寝ようかな。
ボーッと部屋を見ていた瞼を閉じる。
起きたときに帰ってきてるといいな…。


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